| 研究課題/領域番号 |
22K06571
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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| 研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
竹山 志朱代 (堀山志朱代) 武庫川女子大学, 薬学部, 准教授 (80411982)
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| 研究分担者 |
萩中 淳 武庫川女子大学, バイオサイエンス研究所, 教授 (20164759)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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| キーワード | 去勢抵抗性前立腺癌 / 二剤併用治療 / LC-MS/MS分析 |
| 研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌は男性に2番目に多いが進行が遅く予後のよい癌である。 第一選択であるホルモン療法では耐性化し去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)への 移行、転移性CRPC (mCRPC)が問題となっており、耐性獲得機序の解明や薬剤併用による制御薬の開発、治療効果予測が望まれている。アンドロゲン合成 阻害薬のアビラテロン(Abi)は、CRPC、mCRPCに対し二剤併用治療の臨床試験が始まっている。効率化と高感度化を目指して、疑似鋳型分子として用いるMIPを調製し、代謝物群を一斉に保持し、高感度LC/MSにスイッチングし、Abi代謝物群の定量値から、患者個々の代謝酵素の状態 を明らかにし、個別化治療へ貢献する。
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| 研究実績の概要 |
2024年度は、新規代謝物の解析とカラムスイッチングの基礎的データの構築を行った。動物実験では、一つの個体から経時的に採取できる方法の検討を開始した。動物実験においても、ステロール骨格の1位に二重結合を有する新規代謝物Δ1-5β-abirateroneは、予想していた3-keto-5β-abirateroneへの代謝を確認するとともに、3-keto-5α-abirateroneへの代謝も確認された。この結果は、3α-HSDおよびS9分画を用いる酵素実験の結果と類似している。これらのデータから、ステロール骨格の1位および4位に二重結合を有する代謝物の存在が推察され、予想される構造を有する化合物の合成を行っている。これらの新規代謝物および代謝経路は、ヒトのステロイド骨格の代謝経路でもあることから、3αOH-Abiに相当する、3aOH-dehydroepiandrosterone (DHEA)およびΔ1-androstenedioneの合成と代謝物のLC-MS/MS法による分析条件の検討を行っている。カラムスイッチングでは、MIPおよびNIPの回収率やマトリックス効果などの基礎的データを取得すると共に、分離機構の異なる2つのカラム、ZORBAX EclipsePlusC18と、3-keto-5αと-5βの分離に優れるCosmosil-5C18 ARIIについて検討を行っている。 学会発表:第36回バイオメディカル分析科学シンポジウム、2024年8月(静岡)「アビラテロン誘導体に対する分子鋳型ポリマーの調製と応用」、発表者:神路浩美、本田千恵、堀山志朱代、葉山 登、萩中 淳。第74回日本薬学会関西支部総会・大会、(西宮、10月)「アビラテロン新規代謝物の構造および代謝経路の解析」、発表者:城戸﨑 彩乃、高澤 帆夏、原 史子、髙田慎也、萩森 政頼、葉山 登、萩中 淳、堀山 志朱代。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度はアビラテロンとデュダステリド二剤併用治療時における、未知代謝物の構造解析から予想された構造をもつ代謝物を合成し、新規代謝物として同定した。2023年度はその合成化合物を用いてその代謝経路を明らかにするための実験を行った。細胞実験において、代謝生成物の分析結果では再現性を得るのが困難であったが、ヒト肝細胞から抽出したS9分画および市販の酵素3α-HSDを用いた実験に変更し、反応生成物のLC-MS/MS分析結果を比較することで、代謝経路を明らかにすることができた。さらに、その推定された代謝経路を確認する目的で、動物実験を試みている。2024年度は動物実験も個体差が確認でき、経時的に血液を採取する方法と効率的な前処理法を確立することができている。また、前処理を簡便化を目的とする、代謝物群を特異的かつ効率的に回収が可能なMIPカラムを用いたカラムスイッチング法を利用した定量方法を確立するため、回収率、マトリックス効果、日内・日差変動等の分析法バリデーションを確認する実験を進めることができている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2023-2024年度は新規代謝物の構造決定およびその新規代謝物を生成するための代謝経路の解明を進めてきた。今後は、患者血清中のアビラテロン及びその代謝物の簡便かつ特異性の高い定量法の確立及び、前処理法のオンライン化を目指して、疑似鋳型分子としてメチル化アビラテロンを用いて合成した分子認識カラムMIPを用いたカラムスイッチングについて検討を行う。2022年度にはすでに、アビラテロン及びその代謝物をMIPカラムに保持するための保持時間と、MIPカラムから分析用カラムへ代謝物群を移動させるための、スイッチング時間及び溶媒条件を検討しており、基本的データは得られている。この条件を基に、市販の血清を用いて、アビラテロン及びその代表的な代謝物を用いて、回収率、マトリックス効果などの基本的なバリデーションを行い基礎的データを構築する。 並行して、今まで明らかにしてきた、前立腺がん治療薬であるアビラテロンの新規代謝物やその代謝経路は、ヒトのステロイド骨格における代謝でも起こりうる可能性が高い。また、ステロイドの代謝物として、1位に二重結合を有する3位のケト体の化合物の報告が認められないことから、今後、ステロイド骨格の代謝についても解析を行う予定であり、すでに合成を依頼している。
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