研究課題/領域番号 |
22K06573
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
岡崎 祥子 崇城大学, 薬学部, 准教授 (40435152)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ビタミンK / ニトロキシラジカル / 抗腫瘍効果 / 活性酸素 / ビタミンK類 / ニトロキシルラジカル |
研究開始時の研究の概要 |
ビタミンKは活性酸素を生成し、抗腫瘍効果を示すことが知られている。そこで、本研究では、ビタミンKをより効果的で安全な薬剤とするため、ビタミンK誘導体とレドックスプローブを結合させてビタミンKの抗腫瘍効果を増強し、且つレドックスプローブのMRI造影効果により、本化合物の体内分布の可視化を達成する。さらに、リポソーム化することで腫瘍への集積を図る。 本薬剤の合成及び抗腫瘍効果の評価を行い、ビタミンKのがん治療への利用を目指す。
|
研究実績の概要 |
ビタミンK類は抗がん活性を有することが知られており、その作用機序はミトコンドリアに局在するNADH-キノン酸化還元酵素との反応でスーパーオキシドラジカルを生成することだと考えられている。本研究は、ビタミンK類のがん治療への利用を目指し、ビタミンK誘導体と、MRI造影効果を併せ持つレドックスプローブ(ニトロキシルラジカル)を結合させた新規抗がん剤の作製を目指している。 研究代表者はこれまでに、ビタミンK3(メナジオン)の腫瘍細胞に対する毒性効果を6員環のニトロキシラジカルであるTEMPOLが増強すること、TEMPOLと同じ骨格である2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinolでは毒性増強効果がないこと、5員環のニトロキシラジカル類ではその効果が弱いことなどを示してきた。本年度はこれまでの成果を踏まえて、単純な構造として6員環のニトロキシルラジカルとビタミンK3を直接結合させた新規化合物の合成を行った。NMR等による検討から、化合物の合成は成功したことを確認したが、ビタミンK3と比較しての毒性増強効果は得られなかった。このことから、リポソーム化にあたって、ニトロキシルラジカルを多量に封入する方策が必要であること、目的を達成するにはビタミンK3とニトロキシルラジカルの比率や量薬剤の細胞内での局在などについてより詳細に検討する必要があることが判明し、今後の研究の方向性を定める上で重要な情報を得ることが出来た。 また、研究結果に関連して、日本薬学会第144年会などいくつかの学会でポスター発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
単純な構造の新規化合物では、期待した効果は得られず、より複雑な構造の化合物の合成を検討する必要ができたため。また、本課題着手前に予定していたよりも研究外の業務が増え、予定よりも研究に費やせる時間が短くなってしまったため。
|
今後の研究の推進方策 |
ニトロキシルラジカルの局在および毒性増強メカニズムについて更なる情報を得るため、官能基の異なる6員環ニトロキシルの毒性増強効果について検討を続けるとともに、リポソームに封入した際の効果についても並行して検討を行う。
|