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B型肝炎ウイルス複製に関わるBcl-xL多量体化機構の解明と阻害剤の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K06574
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47020:薬系分析および物理化学関連
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

楠 英樹  国立感染症研究所, 次世代生物学的製剤研究センター, 室長 (90334060)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードBcl-xL / B型肝炎ウイルス / HBx / 多量体化
研究開始時の研究の概要

HBxとBcl-xL相互作用が引き起こす細胞内カルシウムイオン(Ca2+)濃度上昇とHBV複製メカニズムを理解するため、HBxが誘導するBcl-xL多量体のCa2+チャネル機能とHBV複製に焦点を当てる。本研究では、HBxによるBcl-xL多量体形成機構を明らかにし、そのCa2+チャネル機能とHBV複製の解析を行う。また、Bcl-xL多量体化を阻害する低分子化合物を探索し、HBV複製を抑制できるかを検討する。そして、HBV複製阻害剤の開発につなげる。

研究実績の概要

本研究では、HBxとBcl-xLが相互作用すると、Bcl-xLの多量体化を誘導し、Bcl-xL多量体がCa2+チャネルとして機能し、HBV複製を引き起こす可能性について検討することを目的としている。Bcl-xLの多量体の検出には、主に核磁気共鳴(NMR)法を用いている。本年度は、昨年度に調製方法を確立したHBx BH3領域蛋白質を用いて、Bcl-xLのオリゴマー化の解析を実施した。また、膜模倣環境下でHBx BH3領域蛋白質(ワイルドタイプ)がBcl-xLを多量体化すること、多量体化したBcl-xLに、結合親和性の高いリガンドを添加するとモノマーに戻り、そのリガンドと結合していることをNMR解析で再確認した。Bcl-xL多量体化を阻害できるかどうか、いくつかの低分子化合物を用いて検討した。現在、Bcl-xLとより強く結合する低分子がBcl-xL の多量体化を阻害できることが分かった。HBx BH3領域とBcl-xL融合蛋白質を用いて、さらに、その相互作用を詳細に解析しているところである。その中で、この融合蛋白質は、Bcl-xLよりも温度安定性が低くなることが示唆された。これは、HBxがBcl-xLに結合するとBcl-xLの構造を不安定にしていることを示唆している可能性がある。今後は、HBxによるBcl-xLの構造不安定性の再現性を確認するとともに、HBx変異体や他のBH3ペプチド との比較を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HBx全長の調製を現在も検討しているため、「やや遅れている」とした。今後もHBx全長の調製を検討していくと共に、既に調製できているHBx BH3領域蛋白質とその変異体を用いて、Bcl-xL多量体化メカニズムを明らかにしていく。

今後の研究の推進方策

研究計画通りに進めていく予定である。HBx全長は、いくつかのグループで報告されているNusAやDsbCといった蛋白質を付加した融合蛋白質での調製を試みる。Bcl-xL多量体化に、HBx BH3領域のどのアミノ酸が必須であるかを引き続き検討する。また、HBx/Bcl-xL相互作用によるBcl-xLのCa2+チャネル機能とHBV複製の解析を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structural Insights into the Interaction between the C-Terminal-Deleted BH3-like Motif Peptide of Hepatitis B Virus X Protein and Bcl-x<sub>L</sub>2024

    • 著者名/発表者名
      Kusunoki Hideki、Sakamoto Taiichi、Kobayashi Naohiro、Kohno Toshiyuki、Wakamatsu Kaori、Nagata Takashi
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 63 号: 5 ページ: 632-643

    • DOI

      10.1021/acs.biochem.3c00709

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chemical shift assignments of a fusion protein comprising the C-terminal-deleted hepatitis B virus X protein BH3-like motif peptide and Bcl-xL2022

    • 著者名/発表者名
      Kusunoki Hideki、Hamaguchi Isao、Kobayashi Naohiro、Nagata Takashi
    • 雑誌名

      Biomolecular NMR Assignments

      巻: 16 号: 2 ページ: 357-361

    • DOI

      10.1007/s12104-022-10104-4

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] B型肝炎ウイルスX蛋白質(HBx)のC末側欠失変異体ペプチドと 抗アポトーシス蛋白質Bcl-xLの相互作用のNMR解析2022

    • 著者名/発表者名
      楠英樹、坂本泰一、河野俊之、若松馨、浜口功、永田崇
    • 学会等名
      第61回 NMR討論会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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