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α7ニコチン性アセチルコリン受容体によるCD8陽性T細胞分化に及ぼす影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K06638
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47040:薬理学関連
研究機関同志社女子大学

研究代表者

藤井 健志  同志社女子大学, 薬学部, 教授 (80255380)

研究分担者 間下 雅士  同志社女子大学, 薬学部, 助教 (30738886)
野村 篤生  同志社女子大学, 薬学部, 助教 (40911813)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードアセチルコリン / 細胞障害性T細胞 / パーフォリン / グランザイム / GTS-21 / グランザイムA
研究開始時の研究の概要

免疫細胞には、コリン作動系のすべての構成要素が発現している。T細胞より産生・放出されたアセチルコリン(ACh)が、免疫担当細胞に発現するACh受容体を刺激して、炎症および免疫反応の調節に関与することを証明してきた。α7型ニコチン性ACh受容体(α7 nAChR)が、ナイーブCD4陽性T細胞の種々のエフェクターCD4陽性T細胞への分化に関与を明らかにしてきた。本研究では、AChのナイーブCD8陽性T細胞の種々のエフェクターCD8陽性T細胞(細胞傷害性T細胞)への分化に及ぼす影響を解析することを目指す。これにより、新しい作用機序をもつ抗腫瘍薬や免疫調節薬を開発するための理論的根拠を提案したい。

研究実績の概要

C57BL6マウス(コントロール)あるいはα7型ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)ノックアウト(KO)マウスより脾細胞を調製した。種々の血球細胞が混在する脾細胞混合培養系および脾細胞よりナイーブCD8陽性T細胞のみを単離した単純培養系でアセチルコリン(ACh)によるキラーT細胞への分化メカニズムへの影響を検討した。混合培養系において、抗CD3/CD28抗体によるナイーブCD8陽性T細胞の活性化は、キラーT細胞への分化を促進させる。この促進作用に対して、α7 nAChRアゴニストであるGTS-21は抑制作用を示した。さらに、この抑制作用はα7 AChR-KOマウスでは減弱した。すなわち、α7 nAChRを介する作用であることが確認できた。他方、単純培養系において、ナイーブCD8陽性T細胞からキラーT細胞への分化促進作用に対して、GTS-21はさらに促進する作用を示した。このGTS-21の促進作用は、α7 AChR-KOマウスでは減弱した。細胞障害活性については、C57BL6マウスの脾細胞を標的細胞として用いて単純培養系にて検討したところ、GTS-21は細胞障害活性を促進した。T細胞において細胞障害活性の指標となるグランザイムBの発現も増大していたことから、AChはα7 nAChRを介してナイーブCD8陽性T細胞のキラーT細胞への分化だけではなく、細胞障害活性の増大に関与していることが明らかとなった。現在検討を進めているところであり予備的なデータであるが、腫瘍細胞との相互作用に関与するT細胞上のprogrammed cell death 1分子の発現の調節にも影響している可能性を示すデータが得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の段階で解決が必要となっていた細胞障害活性の測定系の確立が済み、直接細胞障害活性の検討を行うことができている。しかしながら、予定していたOT-Iマウスの導入を2023年度中に行うことができなかったことから、細胞障害活性の細胞間相互作用を介するメカニズムの詳細を解析できておらす、若干遅れている。

今後の研究の推進方策

OT-Iマウスの導入を今年度中に行うこととしている。しかしながら、もし十分に解析が進まなかった場合に備えて、免疫チェックポイントに重要な役割を果たしているPD-1およびPD-L1分子発現調節への影響の検討も進めており、すでに予備的なデータを得ている。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Contribution of non-neuronal cholinergic systems to the regulation of immune cell function, highlighting the role of alpha7 nicotinic acetylchoine receptors.2024

    • 著者名/発表者名
      Kawashima K, Mashimo M, Nomura A, Fujii T.
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 25 号: 8 ページ: 45644582-45644582

    • DOI

      10.3390/ijms25084564

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] CD8+T細胞に発現するα7ニコチン性アセチルコリン受容体は細胞傷害性を促進する。2023

    • 著者名/発表者名
      柴田真祐、金谷真優、五十嵐萌、森脇友里葉、尾田和夢、高松雅美、野村篤生、間下雅士、藤井健志。
    • 学会等名
      第73回日本薬学会関西支部総会・大会、2023年10月14日、神戸、兵庫県。
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] α7ニコチン性アセチルコリン受容体による樹状細胞のPD-L1発現上昇機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      東 真優、青笹 莉歩、間下 雅士、野村 篤生、藤井 健志
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] α7ニコチン性アセチルコリン受容体はJAK2/STAT3活性化を介して制御性T細胞の分化を促進する2022

    • 著者名/発表者名
      石原 芽衣、須藤 千晶、岡田 優梨、間下 雅士、野村 篤生、藤井 健志
    • 学会等名
      第72回日本薬学会関西支部総会・大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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