研究課題/領域番号 |
22K06658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
喜多 紗斗美 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (10461500)
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研究分担者 |
古谷 和春 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (40452437)
太田 紘也 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40638988)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Na/Ca輸送体 / ミトコンドリア / 肺高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺動脈内腔の狭小化が原因となって肺動脈圧が上昇し、右心不全に至る予後不良の難治性疾患である。肺動脈内腔の狭小化は血管内皮・平滑筋細胞の機能異常による血管リモデリングや血管過収縮などにより引き起こされるため、これらを抑制することを目的とした研究が活発に行われている。本研究では、血管内皮・血管平滑筋特異的なミトコンドリアCa輸送体遺伝子改変マウスを駆使し、ミトコンドリアCa濃度制御と血管機能の関係を解析することにより、NCLXを標的とした新規血管病治療戦略の提案を目指す。
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研究実績の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺動脈内腔の狭小化が原因となって肺動脈圧が上昇し、右心不全に至る予後不良の難治性疾患である。肺動脈内腔の狭小化は、血管内皮細胞および平滑筋細胞の機能異常による血管リモデリングや血管過収縮などにより引き起こされるため、これらを抑制することを目的とした研究が活発に行われている。申請者は、最近ミトコンドリアNa/Ca交換輸送体(NCLX)の全身欠損マウスを用いて得た予備的知見から、NCLXの活性を抑制することにより肺高血圧症を改善できる可能性を見出した。本研究では、血管内皮および血管平滑筋特異的なミトコンドリアCa輸送体遺伝子改変マウスを用いて、ミトコンドリア内のCa濃度制御と血管機能の関係をin vitroおよびin vivo実験によって解析することにより、NCLXが関与する病態機序を明らかにし、NCLXを標的とした新規血管病治療戦略の提案を目指す。令和4年度は、NCLX/MCU遺伝子改変マウスの作製に取り組み、一部マウスを除いて作製することができた。さらに、これらマウスに蛍光Caセンサーを導入したマウスを作出した。現在、この蛍光Caセンサー導入NCLX/MCU遺伝子改変マウス肺動脈より内皮および平滑筋の初代培養細胞を単離して、低酸素負荷などによるミトコンドリアおよび細胞質内のCa濃度変化を測定している。NCLXとMCUの発現を増減させた組み合わせにより、ミトコンドリアおよび細胞質内のCa濃度がどのように変化するのか、さらに低酸素などの刺激による影響について引き続き検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、組織特異的なNCLX/MCU遺伝子改変マウスを作製する計画であったが、一部マウスを除いて作製することができた。作製が完了していないマウスについても、現在作製中である。これらマウスに蛍光Caセンサーを導入したマウスを作出し、これらマウス肺動脈より内皮および平滑筋の初代培養細胞を単離してCaイメージング解析を行っており、おおむね計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度以降は、昨年度に作製した遺伝子改変マウスを用いて、低酸素誘発性肺高血圧モデル(10%低酸素を4週間)およびSuHx肺高血圧モデル(SU5416 20 mg/kg/week & 10%低酸素を3週間+通常酸素10週間)を作製し、病態に及ぼす影響について検討する。さらに、内皮および平滑筋の初代培養細胞を用いた血管新生実験とCaイメージング解析により、NCLXが関与する機序を明らかにする。
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