研究課題/領域番号 |
22K06661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河本 正次 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 教授 (90294537)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | フラボノイド / 細胞老化 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疾患の新たな治療戦略として、生体に蓄積した老化細胞を除去する薬剤の開発研究が急速に世界の注目を集めつつある。健康長寿を脅かすガンにおいても無限に増えるガン細胞の増殖だけを停止させ選択的に除去できれば、副作用ゼロの革新的ガン治療コンセプトを打ち出せると期待される。研究代表者は、漢方から同定した新規フラバノン誘導体がガン細胞にのみ選択的な細胞老化を誘導する一方、正常細胞には副作用を示さないことを発見した。本研究では、この新規フラバノン誘導体によるガン特異的な細胞老化誘導現象の分子機構を解明するとともに、当該知見をガンの選択的消去剤の実現へと創薬応用展開することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究代表者が新たに発見した漢方由来フラバノン誘導体が示すガン細胞特異的な細胞老化誘導機構を解明し、その知見をがんの選択的除去を基調とした次世代型抗ガン剤の創製へと応用展開することを目的としている。
2023年度においては、本フラバノン誘導体のp53ガン抑制遺伝子産物依存的なガン細胞選択的老化誘導機構を明らかにすべく、同分子の刺激により発現誘導されるp53の下流分子群をトランスクリプトーム解析データより検索した。その結果、ある種のアラキドン酸カスケード構成酵素が本分子の刺激により著明に発現誘導されること、また当該酵素に対する選択的阻害剤が同フラバノンによるガン特異的細胞老化誘導作用を部分的に抑圧しうることを見出した。
また本分子のガン特異的細胞老化誘導に対するATM(DNA損傷センサー・p53の上流キナーゼ)阻害剤の影響を確かめたところ、細胞老化誘導作用が抑制されないことが判明した。この結果から、本フラバノン誘導体によるp53の活性化が従来のDNA損傷チェックポイント分子群を介さない新規の機構によりなされている可能性が浮上してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標としていた漢方由来新規フラバノンにより活性化されるp53下流の責任分子(=ガン特異的な細胞老化誘導に関わる分子)を同定できたこと、ならびに、本フラバノンの刺激によるp53の活性化が新規の機構によるものであることを示し得たことから、本年度の研究も順調に遂行できたものと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の展開としてまず、トランスクリプトーム解析データをベースとして漢方由来新規フラバノン誘導体の刺激によるp53活性化のシグナル伝達経路を推定するとともに、本分子に応答して活性化されるであろう新規p53キナーゼの同定、ならびに、当該キナーゼによるp53上のリン酸化サイトの同定を試みる。更に想定新規キナーゼの活性化に至るDNA損傷以外の物理化学的刺激の本態を探るべく、本フラバノンを母体とした蛍光プローブによる細胞への動態解析も実施する。更には、当該一連の知見を標的としたガン細胞の選択的な除去剤の開発を示唆しうる実験証拠も得たい考えである。
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