研究課題/領域番号 |
22K06666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
臼杵 克之助 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30244651)
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研究分担者 |
荻田 亮 大阪公立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (00244624)
藤田 憲一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10285281)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アンチマイシン系抗生物質 / 天然物化学 / サイトカイン産生抑制 / 構造活性相関 / アンチマイシン / 抗生物質 / 炎症性サイトカイン / 天然資源 |
研究開始時の研究の概要 |
アンチマイシン系抗生物質は抗菌活性のみならず、免疫抑制作用や分子シャペロンGRP78誘導抑制活性を示すなど医薬品資源として高いポテンシャルを秘めている。アンチマイシン系抗生物質を基盤とし、網羅的な化学合成によって構築した化合物ライブラリーについて生物活性評価を行うことで炎症性サイトカイン産生を抑制する活性分子を探索する。さらに、天然由来成分からの活性分子探索もあわせて行う。活性発現に必須な部分構造や作用機序・標的分子などの詳細を解明すべく、研究を展開し、新規創薬リード化合物の創出へとつなげることをめざす。
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研究実績の概要 |
アンチマイシンA3に代表される放線菌由来アンチマイシン系抗生物質は、ミトコンドリア内膜電子伝達系への呼吸阻害作用に起因する抗菌活性のみならず、免疫抑制作用や分子シャペロンGRP78誘導抑制活性なども示すことが知られている。また、複数のエステル結合からなるマクロラクトン環構造をもたないアンチマイシン系抗生物質も報告されている。本研究では、アンチマイシン系抗生物質を基盤とする化合物ライブラリーを構築し、炎症性サイトカイン産生を抑制する活性分子を探索すべく、以下の検討を行った。
オパンチマイシン A 類縁体:サリチル酸誘導体を連結したホスフィンとデヒドロアミノ酸残基とのStaudingerライゲーションにより、低収率ながら所望の類縁体を合成することができた。反応条件を精査し、ホスフィン上の置換基を変えた活性ホスフィンを用いて、Staudingerライゲーションにおける副生成物、サリチル酸由来のアミドの生成を抑制することを試みた。得られたデヒドロアミノ酸残基部位が異なる類縁体について炎症性サイトカイン産生抑制活性を評価し、デヒドロアミノ酸残基部位の構造と活性との関係を明らかにした。
ウラウチマイシン類:北トロスト反応によって9員環部位を構築し、所望の標的化合物の合成を達成した。合成品の各種スペクトルデータは天然物について報告されているものと良い一致を示し、絶対立体配置を決定することができた。環化前駆体合成に必要なボロントリフラートが入手困難となり、代替となる反応条件を精査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、ウラウチマイシン類の全合成によって、その絶対立体配置を決定することができた。また、収率に改善の余地はあるものの、所望のオパンチマイシン A 類縁体の合成を達成し、デヒドロアミノ酸残基部位が炎症性サイトカイン産生抑制活性などの生物活性に与える効果を検証することができた。
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今後の研究の推進方策 |
イミノ基を介して1,4-二置換ベンゼン環に2つのネオアンチマイシン単量体(ネオアンチマイシンD)が結合した新規アンチマイシン系抗生物質であるZhaoshumycin Aの全合成に着手する。こうした二量体天然物(dimeric natural products)は構成要素が同じでも、結合様式の違いによって、さまざまな生物活性を示すことが期待される。アンチマイシン系抗生物質を基盤とする種々の誘導体の網羅的合成により得られる化合物ライブラリーを生物活性評価(炎症性サイトカイン産生抑制活性、呼吸阻害活性など)に供し、構造活性相関を明らかにしていく。
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