研究課題/領域番号 |
22K06670
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
矢作 忠弘 日本大学, 薬学部, 助教 (40632766)
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研究分担者 |
小川 拓哉 国際医療福祉大学, 薬学部, 准教授 (30457147)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 骨粗しょう症 / ロコモティブシンドローム / 骨形成 / 骨芽細胞 / 骨格筋細胞 / smad / CRE / 琉球弧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、超高齢社会において社会的問題となっているロコモティブシンドローム (ロコモ) に対して、骨代謝の正常化から改善をアプローチする天然薬物の探索を行い、作用メカニズムや活性成分の構造的特徴を解明することである。ロコモは運動器障害に基づく移動機能障害およびその危険性を孕んだ状態であり、転倒・骨折をはじめとする要介護リスクの増加だけでなく、日常生活活動や生活の質、ひいては生命予後にも影響を及ぼす。本研究では人間の体を中心で支える骨の正常化に着目し、それを取り囲む骨格筋への波及性も網羅的に検討することにより、ロコモの治療や予防への臨床応用に展開するための新たな治療戦略の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
天然資源からロコモ改善を志向した骨代謝を制御する天然機能分子を探索するために、R5年度はスクリーニングエキスの作成とサルコペニアを評価するためのスクリーニング系の確立を行った。 1) R4年度に植物環境調査を行った沖縄県石垣島の植物について、部位毎にわけたのちに70%エタノールで抽出しエキスを作製した。植物数は302種類で、最終的なエキスの数は503種類となった。 2) 骨形成に関与するシグナル伝達であるBMP/Smad活性をレポーターアッセイにより評価した際に、活性エキスとしてヒットしたオオモクゲンジの果実について成分探索を行い、methyl gallate、kaempferol、kaempferinおよびkaempferolやquercetin配糖体の没食子酸エステルなどの9種の化合物を単離した。これから活性評価を行う予定である。 3) 筋萎縮に関わる遺伝子であるMuRF-1をターゲットとしたレポーターアッセイの構築を行った。HEK293細胞にMuRF-1の転写認識配列を持つプラスミドをトランスフェクションし、その後デキサメタンゾンで刺激するとともにサンプルを添加し、24時間後のルシフェラーゼ活性を評価した。ところが、抑制物質として報告のあるイソフラボンを加えた際、逆に活性化を促してしまったことから、HEK293細胞ではうまく評価できない可能性が示唆された。そこで骨格筋細胞であるC2C12にトランスフェクションを行うために、細胞数やトランスフェクション時間などを検討した。この確立した評価系を用いて、スクリーニングを行った結果、ラッカセイ殻の抽出物に抑制活性が認められた。今後活性本体の探索を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
スクリーニング系の確立が難航してしまったため、活性評価が遅れてしまっている。しかし、その間にスクリーニング対象のエキス数を増やすことはできたため、次年度に早急に対応する。これらのことから「遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度確立したMuRF-1を対象としたスクリーニング系を用いて、これまで作製してきたエキスのスクリーニングを行い、活性の認められた植物については、迅速に活性本体の探索を行いたい。また、活性の認められたラッカセイ殻については、単離化合物の活性評価と骨格筋細胞への影響を検討する。
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