研究課題/領域番号 |
22K06671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
森田 博史 星薬科大学, 薬学部, 教授 (70220069)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 多環性多量体天然分子 / 機能性シード / 抗マラリア活性 / アセチルコリンエステラーゼ阻害活性 / 血管弛緩作用 / 天然分子 / 医薬シード |
研究開始時の研究の概要 |
植物などの天然資源から医薬シードが探索され,それらを基に人々の生活に大きく貢献してきた。近年では天然資源から新しい医薬シードや機能性素材を探索する機運が再燃している。如何に多様な構造や生物活性を有する可能性のある未知の天然資源にアクセスするルートを構築できるかが大きなポイントの一つである。生物多様性条約を遵守し、メガダイバーシティセンターと呼ばれる生物資源の豊富な熱帯資源国の多様な植物資源を現有の共同体制を介して利用することで、特異な環骨格を有する多量体構造を有する天然物を探索し、それらの構造と機能性を解明することにより、医薬および機能性シードを創製する。
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研究実績の概要 |
メガダイバーシティセンターと呼ばれる生物資源の豊富な熱帯資源国の多様な植物資源を利用することで、特異な環骨格を有する多量体天然物を探索し、それらの構造と機能性を解明する。保有する植物エキスライブラリーをスクリーニングしたところ、マレーシア産センダン科植物 Chisocheton ceramicusの樹皮より4種の新規リモノイド ceramicines Q-T を単離し、スペクトル分析と化学シフト計算によって、シクロペンタフェナンスレン骨格を有するそれらの構造を解明した。Ceramicine R は、Plasmodium falciparum 3D7株に対して強い抗マラリア活性を示すことを見出した。 一方、ヒカゲノカズラ科 Lycopodium cryptomerinum の抽出エキスより新規C27N3 型リコポジウムアルカロイドCryptadine C を単離し、各種スペクトルデータの解析により、その構造を決定した。Cryptadine C は、一つのピペリジン環と二つのデカヒドロキノリン環によって構成され、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
未利用植物資源の抽出物ライブラリーを用いることにより、新しい機能性を有する多環性多量体天然分子を探索し、医薬および機能性シードを創製することを目的としており、新たに、2種類の植物(Chisocheton ceramicus、Lycopodium cryptomerinum )より新規な機能性分子を単離し、それらの活性(抗マラリア活性、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性)を見出している。
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今後の研究の推進方策 |
多様な植物資源を利用することで、特異な環骨格を有する多量体天然物の探索を継続し、血管弛緩作用、抗原虫活性(抗マラリア)、オートファジーの制御、脂肪細胞の分化抑制、破骨細胞の分化抑制作用などの生物活性を指向し、新しい創薬シードの創製を目指す。
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