研究課題/領域番号 |
22K06672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 謙 立命館大学, 薬学部, 教授 (60418689)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 化学生態学 / アレロケミカル / キク科植物 |
研究開始時の研究の概要 |
外来種の植物には、強い侵襲性を示し、従来の生態系に著しく影響を与えるものがある。本研究では、キク科セイタカアワダチソウなど侵略性の強い植物の根に含有されるアレロケミカルについて、攻撃される側の植物の二次代謝物の生合成誘導など一連の防御反応を詳細に解析して、植物の二次代謝調節活性化合物の特定とその作用メカニズムを明らかにする。さらに、このような植物-植物間相互作用を担うアレロケミカルを利用して薬用植物の機能性強化に応用する方法を提示する。
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研究実績の概要 |
前年度までに、セイタカアワダチソウに含まれる化合物として3種の新化合物を含む8種のポリアセチレン化合物および5種の新化合物を含む15種のクレロダンジテルペン類を単離、構造決定した。さらに、これらの化合物の代謝調節活性の解析実験で遺伝子解析の効率性・再現性を確保するため、グリチルリチン産生能を有するカルス培養系の構築を試みた。本年度は、まず安定してグリチルリチンを産生するカルス培養系について、カルス誘導、培養条件の最適化を行った。その結果、無菌発芽させたカンゾウのシュートからナフタレン酢酸とベンジルアデニンで誘導したカルスが高い確率でグリチルリチンを産生することが明らかとなった。次いで、このカルス培養系を用いて、セイタカアワダチソウ成分の代謝調節活性について検討したところ、使用するカルスの継代後の時間に依存して、グリチルリチン産生量に周期的な変動があり、代謝調節剤による影響のみを正確に測定することが困難であった。そこで、カルスを継代後一定期間毎に採取し、次世代シークエンサーによる遺伝子の発現解析とサポニン類のLC-MSによる定量分析を行って、カルス内での生理的代謝変動を解析した。その結果、継代後3週間でグリチルリチン生合成関連遺伝子の発現量が最大となった一方、細胞内のグリチルリチン量は最少となっていた。その後、グリチルリチン生合成関連遺伝子の発現量は低下したが、蓄積されたグリチルリチン量は、2週間程度の時間差で増大していた。継代毎にこの周期的変化を繰り返すことが明らかとなり、代謝調節剤による影響のみを正確に測定する基礎的な知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、セイタカアワダチソウに含まれる植物間相互作用を担う化合物について網羅的な単離・構造解析を行い、今後の実験に必要な量の化合物を得た。さらに、代謝調節活性の解析実験で遺伝子解析の効率性・再現性を確保するため、グリチルリチン産生能を有するカルス培養系の構築を行い、カルス誘導、培養条件の最適化を行った。代謝調節剤による影響のみを正確に測定するため、カルスを継代後一定期間毎に採取し、次世代シークエンサーによる遺伝子の発現解析とサポニン類のLC-MSによる定量分析を行って、カルス内での生理的代謝変動を解析した。その結果、カルス継代後にグリチルリチン生合成関連遺伝子の発現量とグリチルリチン量に周期的変化が認められ、代謝調節剤による影響のみを正確に測定する基礎的な知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行ったセイタカアワダチソウ由来のポリアセチレン化合物及びセスキテルペンやジテルペン類を添加して培養したカンゾウの無菌培養植物またはグリチルリチン産生能を有するカルスの次世代シーケンサーによるRNA-Seq解析結果を詳細に解析し、キク科由来の化合物の影響によるカンゾウの遺伝子発現変化を網羅的に明らかにする。
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