研究課題/領域番号 |
22K06676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
大嶋 直浩 国立医薬品食品衛生研究所, 生活衛生化学部, 主任研究官 (30757133)
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研究分担者 |
西川 元也 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (40273437)
羽田 紀康 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (70296531)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オウゴン / 副作用 / バイカリン / 副作用の制御 / 肝機能障害 / 小柴胡湯 |
研究開始時の研究の概要 |
オウゴンは強力な抗炎症作用を示すため、臨床で頻用される漢方処方に配合されているが、重篤な間質性肺炎や肝機能障害を引き起こすため注意を要する生薬である。これまでの研究で、有効成分フラボノイドが肝毒性の原因物質であることを示してきた。それを追求するため、本研究ではフラボノイドの体内動態評価、トランスポーターの関与解明、生薬の組み合わせによる影響とその要因解明を行い、オウゴンの副作用を回避する「新規オウゴン含有漢方処方」並びにエキスの段階から副作用を制御できる「オウゴンの品質評価基盤」の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
オウゴンは強力な抗炎症作用を示すため臨床で汎用される漢方処方に配合されているが、稀に重篤な間質性肺炎や肝機能障害を引き起こすことがあるため注意を要する生薬である。本研究は、オウゴンの副作用を軽減できる方策を提案するため、オウゴン及び関連漢方処方の成分情報の整備、肺・肝毒性の評価、成分の体内動態評価等を行い、オウゴンの有効性を担保した副作用軽減策の提案を目指している。 昨年度はオウゴンの主成分であるバイカリンが肝細胞毒性を有するエキスの責任成分であることを示した。当該年度はこれを更に検証するため、オウゴンエキスからバイカリンを除去したエキス(除去エキス)を分取HPLCで再調製し毒性軽減の再現性を確認した後、除去エキスにバイカリンを添加して毒性が再び現れるか評価した。その結果、バイカリン添加濃度に依存した肝細胞毒性が認められ、オウゴンエキスが示す肝細胞毒性はバイカリンの含量で制御できることを示した。 他方、他の生薬を配合した漢方処方においては、配合する生薬の種類・量でオウゴンの副作用が劇的に変化することが予想される。これまでにオウゴンとショウキョウの組み合わせでオウゴン単独よりも肝細胞毒性が強く現れることを見出しているが、その成分組成の変化までは分かっていなかった。そこで、両生薬の組み合わせによる成分組成の変化をHPLC等で分析した結果、オウゴン由来バイカレインの抽出量が顕著に減少することを認めた。バイカレインは肝保護作用を有することが報告されているため、ショウキョウとの組み合わせによる同成分の減少は肝細胞毒性の増強に寄与するものと考えられた。さらに、その抽出量減少機構を解明するためショウキョウエキスを分画してバイカレイン抽出量に影響を与える画分を探索した結果、同エキスの高極性画分がバイカレインの抽出量を減少させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はオウゴンエキスによる肝細胞毒性をバイカリン含量で制御できることを明確にした。ショウキョウとの組み合わせではバイカリン含量だけで説明できない毒性が認められ、その主な要因も明らかにすることができた。以上より本成果はオウゴンの副作用制御に資する重要な知見であるため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、オウゴンに含まれる副作用成分の体内動態解明に資する分析法の確立、副作用を軽減できる新規処方の調製並びに成分情報の整備を行う。さらにショウキョウとの組み合わせによるバイカレインの抽出量減少機構を解明する。 尚、副作用データを取り扱う本事業は、断片的な情報発信による解釈の曲解を防ぐ目的で、論文や学会発表などの情報発信を慎重に実施することを心掛けており、今後も適切な情報発信に努めていきたい。
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