研究課題/領域番号 |
22K06684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
川添 和義 昭和大学, 薬学部, 教授 (00248296)
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研究分担者 |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 名誉教授 (70184760)
中村 史朗 昭和大学, 歯学部, 教授 (60384187)
栗本 慎一郎 昭和大学, 薬学部, 兼任講師 (70735018)
小池 佑果 昭和大学, 薬学部, 講師 (10644479)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 唾液腺 / 枸杞子 / TNF-α / アクアポリン-5 / シェーングレン症候群 / アクアポリン / アポトーシス / A-253 / 口腔乾燥 / 漢方薬 / 唾液腺オルガノイド / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、QOLを低下させ誤嚥性肺炎などの原因となる口腔乾燥に対して、漢方薬が有効な治療薬となりうるかを検証するものである。ヒトの人工多能性幹(iPS)細胞から誘導された唾液腺(オルガノイド)を用いて漢方薬の有効性を検証し、有効な処方については臨床研究へとステップアップさせる。安価で利便性の高い漢方薬を口腔乾燥治療に利用できれば、医療の経済的負担の軽減や健康寿命の延長に資するとともに、漢方薬を基盤とした新規治療・予防薬開発へ発展させることも可能となる。
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研究実績の概要 |
口腔乾燥はシェーグレン症候群などの疾患としてだけではなく、服薬コンプライアンスの低下や誤嚥や歯周病などの引き金となり、特に高齢者では著しいQOLの低下を招く。しかし、現在,口腔乾燥の予防的措置はなく,治療は人工唾液と副作用発現の懸念が大きいコリン作動薬のみである。一方、漢方医学では「口乾」に対する漢方処方が存在しており、長い歴史の中でその有用性が示されてきた。そこで、本研究では漢方薬の新しい可能性を見出すべく、唾液腺モデルを利用して口腔乾燥を改善する漢方薬とその成分を網羅的に探索することをひとつの目的としている。 これまでの研究により、枸杞子にその可能性のあることを見出している。そこで、枸杞子エキスが唾液腺細胞であるA253に与える影響を現在調査している。シェーグレン症候群による唾液分泌の抑制のモデルとして、A253にTNF-αを作用させて、擬似的な唾液分泌抑制状態を作成した。そこに予防的措置として枸杞子エキスを投与することにより、唾液分泌に大きく関わるアクアポリン-5の発現を促す働きのあることが、ウエスタンブロッティングならびにPCRで確認された。さらに、ミトコンドリア膜に発現するCapase-3の発現ならびにミトコンドリア膜の活性の指標となるJC-1について精査したところ、ミトコンドリア活性が上昇し、アポトーシスを抑制していることも明らかとなった。また、細胞内のROSの産生も抑制されており、これらが複合的に働くことにより、唾液分泌抑制が改善されたものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
iPS細胞を利用した検証に進む予定であるが、現在、研究員の不足により、十分な準備ができておらず、実施ができていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
iPS細胞の実験については十分な研究員の確保の上進めたいと考えている。今後は、枸杞子だけでなく他の天然医薬品についても精査を行い、この作用機序のさらなる解明と臨床応用への可能性を模索したい。
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