研究課題/領域番号 |
22K06687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
橋元 誠 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (80552893)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 生合成 / 糸状菌 / 二次代謝産物 / フラビン依存酸素添加酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、糸状菌由来FMOの機能開拓を目指した研究である。最近申請者が見出したasteltoxin生合成に関与するAstEは、反復した酸素添加反応(連続エポキシ化とエポキシ化)を位置選択的に触媒する。さらに、緩い基質認識を併せ持つことが予想されることから、機能開拓を検討する上で、より応用性が高い酵素と考えられた。また、既知の二成分系FMOの研究から、FMOの基質の酸化とフラビン還元部分が個別の酵素として扱うことができれば、基質の酸化部分の改良のみに問題点を簡素化でき、糸状菌由来FMO機能開拓につながるのではないかと考えたことから、AstEで例証を試みる。
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研究実績の概要 |
これまでに放線菌由来のフラビン依存酸素添加酵素(FMO)の機能解析を個なっていた。本酵素は基質の酸化に関与する部分とFMOを還元する部分(フラビン還元酵素:FR)があり、糸状菌由来FMOは、FR部分と一体化した酵素として存在するために、機能開拓するには還元部分との両立を考慮する必要がある。本研究は、糸状菌由来FMOを対象に、計算化学に基づいた活性に重要なアミノ酸残基の予測、in vitro解析の併用による機能同定と、単成分系FMOの二成分系FMOへの改変により機能開拓を目指す基礎研究と位置づけできる。FMOの機能開拓が可能になれば、FMOを用いた化合物修飾の可能性が広がると期待している。 本研究ではE. variecolor由来asteltoxinの生合成に関与するFMO(AstE)を対象に、機能同定と反応機構の解明、機能拡張を目指した。AstEは、asteltoxin生合成において、2段階のエポキシ化に関与することが予測される。この2つのエポキシ化段階において、関与するアミノ酸残基に違いがあるかについても調査する。 今年度は前年度から課題であったin vitroによる活性評価系の確立を目指した。大腸菌と酵母のコドン使用頻度に最適化した人工遺伝子を用いて発現系について検討した。また、asteltoxin生合成に関与する遺伝子を麹菌へ導入し、asteltoxinの生成を試みた。すでにAstA(ポリケタイド合成酵素:PKS)とAstB(メチル基転移酵素:MeT)を導入した麹菌は作成済みであるので、残りの2つの遺伝子の導入を検討してasteltoxin生産を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
in vitroによる活性評価系の構築は進捗が遅れている。前年度から行っている大腸菌を用いた発現系では、誘導温度や時間をさらに検討したが、目的タンパク質の発現には至らなかった。次に、宿主をメタノール資化酵母に変えてAstEの発現系の構築を試みた。現在、形質転換体により作製したAstEの精製を試みている。さらに、前年度行ったモデリング解析で基質との相互作用が推定されるアミノ酸残基を別のアミノ酸残基に置き換えた変異酵素を作成するための遺伝子変異を導入したプラスミドの構築を行った。 麹菌形質転換体の作製は、すでにasteltoxin生合成に関与するastAのみ(Ao形質転換体1)とastAとastB遺伝子を両方導入した形質転換体(Ao形質転換体2)を作成し、それぞれ生成物を確認している。現在、Ao形質転換体2に対してastE遺伝子とastEと脱水酵素遺伝子(astD)を両方導入した形質転換体(それぞれAo形質転換体3とAo形質転換体4)の作成を試みている。遺伝子導入条件を変えて形質転換体の作製を進めているが、目的の形質転換体が得られていないことから、現在、形質転換体2を再度作製して、導入できるかを調査している。
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今後の研究の推進方策 |
In vitro発現系の構築は、まず、メタノール資化酵母の形質転換体の作製を早急に行い、融合AstEの発現を行う。発現用プラスミドと宿主は複数入手できたため、分泌型のタンパク質として活性を確認するとともに、菌体内に蓄積する発現系も構築して、入手しやすい方法を検討する。本系では、複数のプラスミドが導入された形質転換体が得られる可能性があることから、抗生物質濃度が高い条件で選抜し、複数の形質転換体を取得する。活性測定法については、すでに入手済みの形質転換体2から生成されるヘキサエン中間体2と補酵素FAD、精製酵素を含む評価系により温度やpHを調べていく予定である。 活性が確認できたら、構築した変異酵素遺伝子を用いて同様に酵素を調製し、活性を評価していく。前年度にモデリング解析で活性に重要なアミノ酸残基について複数の候補が得られていることから、これらのアミノ酸残基を変異させた酵素を取得し、活性を評価することで、活性との関係性を検討していく。 麹菌形質転換体については、まず複数の形質転換体2の作製を行い、遺伝子導入が可能である形質転換体の取得を行う。その後、astEおよびastDを導入した形質転換体作製を行うことでasteltoxin生産株を作製する。
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