研究課題/領域番号 |
22K06703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
佐藤 恵亮 北海道科学大学, 薬学部, 講師 (60733946)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | オートファジー / アポトーシス / 免疫チェックポイント阻害剤 / 多重がん |
研究開始時の研究の概要 |
オートファジーは、タンパク質分解機構の1つであり、がんの進行と抑制の両方に関与している。多重がんは、性質の異なる原発性のがんが複数箇所に発生する疾患であり、高齢化やがん治療の発展に伴い、患者数は増加している。本研究では、オートファジーを効果的に利用することで免疫チェックポイント阻害剤の抗がん作用を増大、副作用を軽減し新たな多重がん治療を確立させる。
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研究実績の概要 |
多重がんは、原発性のがんが複数箇所に発生する疾患であり、高齢化やがん治療の発展に伴い、その患者数は世界的に増加している。本研究の目的は、免疫チェックポイント阻害剤とオートファジーを利用することで、多重がんに効果的で副作用が少ない抗がん剤治療法を見い出すことである。2022年度は、培養細胞を用いて免疫チェックポイント阻害剤の抗がん作用に対するオートファジーの関与について明らかにすることを目指した。培養がん細胞としてHT29(ヒト結腸腺がん細胞)、A549(ヒト肺がん細胞)、H1975(ヒト肺がん細胞)を使用し、免疫細胞としてヒト白血球細胞であるJurkatを使用した。免疫チェックポイント阻害剤としてニボルマブ、オートファジー誘導剤としてラパマイシン、オートファジー阻害剤としてクロロキンを使用した。 まず初めにHT29、A549およびH1975に対するJurkatによる抗がん作用を検討したが、いずれの細胞においてもJurkatによる抗がん作用は認められなかった。そこで、免疫チェックポイント分子であるPD-L1の発現量を比較したところ、H1975において最もPD-L1発現量が多いこと、オートファジー阻害剤によりPD-L1発現量が増大すること、オートファジー誘導剤によりPD-L1発現量が減少することを見出した。これらの結果から、オートファジーが免疫チェックポイント分子の発現に関与していることが示唆される。次に、免疫チェックポイント分子の発現量が最も多かったH1975における免疫チェックポイント阻害剤およびJurkatによる抗がん作用を検証した。予想に反し、免疫チェックポイント阻害剤およびJurkatによる抗がん作用は認められなかった。そこでJurkatの免疫効果を最大限発揮させるために免疫細胞を賦活させて同様の実験を行ったが、Jurkatによる抗がん作用は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初期待していた結果は得られていないが、別なアプローチに沿って研究計画を一部改変して進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、Jurkat以外のヒト白血球を用い、各種がん細胞に対する免疫チェックポイント阻害剤による抗がん作用をオートファジーの利用することで増強する方法を見出す予定である。
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