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精神疾患発症予測バイオマーカー探索:血清エクソソーム由来カルボン酸の有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K06733
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47060:医療薬学関連
研究機関東邦大学

研究代表者

小野里 磨優  東邦大学, 薬学部, 講師 (50610094)

研究分担者 田形 弘実  東邦大学, 医学部, 助教 (50888542)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードカルボン酸 / キラル / 誘導体化 / LC-MS/MS / エクソソーム / 血清 / バイオマーカー
研究開始時の研究の概要

カルボン酸標識化試薬CIM-NH2と超高速HPLC-高分解能質量分析計を用い、血清・血清由来のエクソソームに含まれるカルボン酸メタボロミクスの手法を構築する。
本法を活用し、精神病発症危険状態(At-Risk Mental State; ARMS) 群における統合失調症などの精神疾患発症リスクを客観的に予測可能な新規バイオマーカーを見出す。
具体的には、CIM-NH2試薬によるカルボン酸標識化体に特有なマススペクトルの開裂パターンに基づく高感度・高選択的なカルボン酸測定法の構築、血清・血清エクソソーム画分で有意な濃度変動をしているカルボン酸の検出、バイオマーカーとしての有用性の検証である。

研究実績の概要

市販のN-CBZ化アミノ酸誘導体を原料として新規合成したキラルイミダゾリジノン環を有するカルボン酸標識化試薬(CIM-C2-NH2)とODSカラムを装着した高速液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)を用いて、ヒト血清およびエクソソーム中に含まれるカルボン酸の検出を目指した。まずは、ヒト血清を対象として前処理法および測定法の条件検討・最適化をおこなった。
文書による同意を得た健常人の血清30 μLをサンプリングし、メタノール/アセトニトリルの混液を用いて、除タンパクした後、遠心分離をした。得られた上清を蒸発乾固した後、H2Oで再溶解し、CIM-C2-NH2を用いて誘導体化した。各ステップの条件検討の結果、使用する誘導体化剤の濃度は25 mM(10 μL)、縮合剤としてはTPPとDPDS(各250 mM、10 μL)、60℃で30分間の加温下で誘導体化をすることが最適であることを見出した。さらに、移動相についても検討をおこない、0.05%ギ酸 in H2O / MeCNを用いたステップワイズ法で測定条件を構築した。
これらの最適条件に基づいてヒト血清を誘導体化・測定したところ、乳酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、馬尿酸、コハク酸、グルタル酸を検出でき、全てのピークは75分以内に溶出した。健常人群およびARMS群の血清中カルボン酸の定量を実施、継続している。
加えて、ラットへのカルボン酸投与実験を行い、投与後の血中および脳内でのカルボン酸の濃度推移についても検討し、その成果を学会発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CIM-C2-NH2を用いた当教室で保有しているARMS群、Control群の血清ヒト血清中有機酸の測定はおおむね実施できた。

今後の研究の推進方策

ヒト血清に続いて、当教室で保有しているARMS群、Control群の血清より市販キットを用いて単離・回収したエクソソームの膜を破壊して得た血清エクソソーム画分をCIM-C2-NH2により標識化後、超高速HPLC-高分解能質量分析計(LC-HRMS)で測定する。カルボキシ基を有する分子をピークとして網羅的に検出した後、各々のピーク面積を統計解析ソフトSIMCA16により多変量解析し、2群の判別に寄与するピーク(カルボン酸標識化体)を抽出する。抽出されたピークの元素組成をデータベース上で検索し、2群間で有意な濃度変動をしている血清中およびエクソソーム画分のカルボン酸を同定する。併せて、血清中・エクソソーム画分のカルボン酸濃度と臨床症状スコア(陰性症状・陽性症状・認知機能の尺度)との相関性も明らかにする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Analyzing Citramalic Acid Enantiomers in Apples and Commercial Fruit Juice by Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry with Pre-Column Derivatization2023

    • 著者名/発表者名
      Umino Maho、Onozato Mayu、Sakamoto Tatsuya、Koishi Mikoto、Fukushima Takeshi
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 28 号: 4 ページ: 1556-1556

    • DOI

      10.3390/molecules28041556

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Preparation of imidazolidinone compounds as derivatization reagent for diastereomerization and chromatographic separation of chiral organic acids2022

    • 著者名/発表者名
      Umino Maho、Sakamoto Tatsuya、Onozato Mayu、Fukushima Takeshi
    • 雑誌名

      Journal of Chromatography A

      巻: 1675 ページ: 463159-463159

    • DOI

      10.1016/j.chroma.2022.463159

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] LC-MS/MS用カルボン酸誘導体化試薬を用いた有機酸の分析2024

    • 著者名/発表者名
      小石 海琴、海野 真帆、小野里 磨優、坂本 達弥、福島 健
    • 学会等名
      日本薬学会 第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] キラルイミダゾリジノン環を有するLC-MS/MS用カルボン酸誘導体化試薬によるヒト血清中有機酸の分析2023

    • 著者名/発表者名
      海野 真帆,坂本 達弥,小野里 磨優,福島 健
    • 学会等名
      第67回 日本薬学会関東支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] キラルイミダゾリジノン環を有するLC-MS/MS用カルボン酸誘導体化試薬によるリンゴ中シトラマル酸の定量2023

    • 著者名/発表者名
      海野 真帆,坂本 達弥,小野里 磨優,小石 海琴,福島 健
    • 学会等名
      日本薬学会 第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] LC-MS/MS用カルボン酸誘導体化試薬を用いた飲料中シトラマル酸の定量2023

    • 著者名/発表者名
      小石 海琴、海野 真帆、小野里 磨優、坂本 達弥、福島 健
    • 学会等名
      日本薬学会 第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] キラルイミダゾリジノン環を有する LC-MS/MS 用カルボン酸誘導体化試薬による飲料中有機酸の分析2022

    • 著者名/発表者名
      海野真帆、坂本達弥、小野里磨優、福島 健
    • 学会等名
      第66回日本薬学会 関東支部大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 東邦大学薬学部薬品分析学教室 ホームページ

    • URL

      https://www.lab.toho-u.ac.jp/phar/Analchem/index.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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