研究課題/領域番号 |
22K06734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
水野 智博 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40711669)
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研究分担者 |
坪井 直毅 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50566958)
白木 良一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (70226330)
高橋 和男 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90631391)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HIF-PHI / VHL / 腎細胞がん / プロリン水酸化酵素阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究は、HIF-PH阻害薬の適正使用に大きく寄与することが期待され、薬剤師・薬学研究者が主導すべき、医療系薬学分野の重要な研究課題である。本研究の概要を以下に示す。 ①HIF-PH阻害薬がVHL腫瘍抑制因子変異株の増殖および抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにする。 ②HIF-PH阻害薬がFH変異株の増殖および抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにする。 ③腎がん患者組織由来の腎がん細胞初代培養を実施し、増殖および抗がん剤耐性獲得にHIF-PH阻害薬が与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、①HIF-PH阻害薬(HIF-PHI)がvon Hippel-Lindau(VHL)腫瘍抑制因子変異株の増殖に与える影響、②HIF-PHIが抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにすることを目標として研究計画を遂行した。 VHL腫瘍抑制因子変異株およびVHL腫瘍抑制因子非変異株をBALB-nu/nuマウス(ヌードマウス)へ異種移植し、用量はマウス用に増量したものの、用法は実臨床と同じ設定とし、ロキサデュスタットを週3回0-200 mg/kgにて、経口投与を行った。200mg/kg投与群では、一部の個体が投与開始から21日以内に死亡した。同投与群では、ロキサデュスタットによる毒性が認められた可能性が否定できないため、腫瘍径の比較はコントロール(0mg/kg),50,100mg/kg投与群間で実施した。ロキサデュスタット投与後の腫瘍径を比較したところ、VHL変異株では、ロキサデュスタット投与による腫瘍増殖が認められなかったものの、VHL非変異株では用量依存的な腫瘍径の増加が認められた。加えて、上記個体群の血中ヘモグロビン値を測定したところ、100mg/kg投与群のみ、コントロール群と比較して、統計学的に有意なヘモグロビン値の上昇が認められた。 HIF-PHIが抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにするため、腫瘍増殖が認められたロキサデュスタット100mg/kg投与群に対し、VEGF受容体阻害薬(アキシチニブ)およびmTOR阻害薬(エベロリムス)を用いた治療実験を行った。アキシチニブ投与群では抗腫瘍効果が認められなかったものの、エベロリムス投与群では、用量依存的な腫瘍増殖抑制効果が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度は、①HIF-PHIがVHL腫瘍抑制因子変異株の増殖に与える影響、②HIF-PHIが抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにすることを目標としており、双方の目的を達成することができたため、研究計画は順調に進展している。HIF-PHI投与後の血中ヘモグロビン値上昇に関しては、当初の計画にない成果であり、想定以上に計画が進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
VEGF受容体阻害薬に対する耐性獲得に至ったメカニズムの解明を行う。また、フマル酸ヒドラターゼ(FH)変異株の作成を行い、VHL腫瘍抑制因子変異以外の遺伝子変異が、HIF-PHIによる腫瘍増殖作用に与える影響を検証する。
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