研究課題/領域番号 |
22K06736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
増田 智先 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (90303825)
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研究分担者 |
田島 壮一郎 九州大学, 大学病院, 薬剤師 (10579460)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 免疫抑制薬 / 臓器移植 / 慢性腎臓病 / 線維化 / 個別化薬物治療 / 個別化薬阿仏治療 |
研究開始時の研究の概要 |
臓器移植後の免疫抑制療法ではカルシニューリン阻害薬(CNI)が中心的な役割を担ってきた。最近登場したエベロリムスの併用によるCNIの低用量化は、腎障害回避の要因と考えられる。一方、エベロリムスは細胞内オートファジーを活性化し、免疫系細胞を含む様々な細胞の増殖抑制効果を示す。本研究は、慢性腎臓病モデルラットを用いてmTOR阻害薬の腎保護機構解明を目指すものであり、CNIによる慢性腎臓病を呈した患者における腎機能回復・保護に繋がる病態生理学的分子機構の理解が期待される。生涯一度とされる本邦の臓器移植医療において、貴重な移植臓器の長期生着をもたらす新しい免疫抑制療法の開発が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、腎移植患者及び肝移植患者双方における低用量CNIとエベロリムスの併用を念頭に、CNIによる腎病変の分子機構解明と並行してエベロリムスによる腎間質の線維化抑制の分子機構解明を目的とした。 当初予定していた通り、ラットを用いたin vivo動物実験系ならびにラット腎由来培養細胞(NRK52[上皮細胞]、NRK49F[線維芽細胞])を用いた系統的な検討を進め、腎間質の線維化に起因する慢性腎臓病の増悪とmTOR阻害薬の使用による治療効果の過程において、HE4の発現がどのように関連し、どのような役割を示すのかについて解析を進めている。 (1)in vivo動物実験系:慢性腎不全モデルラット(5/6腎摘出ラット)を用い、タクロリムスにエベロリムスを併用して、腎間質線維化の加速度的な進行とエベロリムス 併用による線維化の抑制効果、すなわち腎保護効果の評価を行っている。病変進展に及ぼすタクロリムスの影響(病変の重篤化等)ならびにエベロリムスの影響について、腎間質の線維化マーカーαSMAの変化を中心的な指標として調べている。なお、エベロリムス投与の効果については活性化(リン酸化)mTORの基質であるS6キナーゼのリン酸化を指標とする。 (2)in vitro培養細胞系:ラット腎間質線維芽細胞由来培養細胞NRK49Fを用いて、TGFb刺激による筋線維芽細胞への形質転換過程と活性化、筋線維芽細胞におけるαSMAの産生と消失に及ぼすエベロリムス、タクロリムスの影響を調べている。並行して、ラット腎近位尿細管由来培養細胞NRF52に及ぼす両薬物の影響(特に細胞毒性、解毒反応に及ぼす影響)について、細胞内受容体FKBP1Aとの複合体形成を中心に調べ、in vivo動物実験の分子レベルでの再現と評価を行うことを想定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従って、in vivoラットを用いた研究ならびにin vitro培養細胞を用いた研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として計画している項目を順次実施し、目標の早期達成を念頭に進める。
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