研究課題/領域番号 |
22K06771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
武田 泰生 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 教授 (60245462)
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研究分担者 |
寺薗 英之 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (30398143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経細胞 / 脳腫瘍細胞 / クロストーク / マイクロパターン技術 / 脳腫瘍 / 神経 / 腫瘍内微小環境 / 神経接着分子 / 腫瘍-神経相互連関 |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍は、最も予後の悪い癌の一つである。近年、脳腫瘍細胞は神経細胞と機能的シナプスを形成し、神経活動を利用することで、腫瘍細胞自身の増殖を促し、神経と腫瘍の直接的なクロストークが報告され、神経シグナルを遮断することが、脳腫瘍克服のための新たな治療戦略となりうる。しかしながら、神経シナプス形成に必要なタンパク質である神経接着分子群が、神経細胞と腫瘍細胞との機能的シナプス形成に関与するかは明らかにされていない。そこで本研究は、神経細胞と脳腫瘍細胞を共培養し、腫瘍内微小環境を模倣した人工環境を構築し、脳腫瘍細胞と機能的シナプス形成に関与する新たなシグナル分子を同定することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は神経細胞と脳腫瘍細胞の直接的なクロストークに着目し脳腫瘍克服のための新たな治療の可能性を明らかにすることである。これまで、本来の神経同士のシナプス形成に必要なタンパク質である神経接着分子群が、神経細胞と腫瘍細胞との機能的シナプス形成に関与するかは明らかにされていない。そこで神経終末(シナプス)に発現する神経接着分子の発現が、脳腫瘍細胞との機能的シナプス形成に関与するかを明らかにする。方法として、独自技術を用いて神経細胞と脳腫瘍細胞をシングルセル同士で共培養し、神経側の新規因子Xと脳腫瘍細胞の新規因子Yの相互作用をin vitro環境下で相互に確認する技術を開発し新規悪性脳腫瘍増殖のメカニズム解明とその解決法を明らかにする。 本年度は、培養シャーレの特定の領域のみに細胞を配置できる培養チップの作製を行った。方法として、生体接着剤を使用し、それぞれの細胞を接着できる領域をマイクロメートルレベルで目的の場所のみ限定できるマイクロパターン作製技術を確立した。この技術を用いて神経細胞と脳腫瘍細胞をそれぞれ培養できる領域とそれをつなぐチャネル構造の作製に成功した。さらに作製したマイクロパターンの領域内でがん細胞株の培養に成功した。また、微小環境において液性因子をコントロールするためのデバイスの構築を行い、サブマイクロレベルで送液し、薬物並びに液性因子の濃度変化を自在にプログラミングできるデバイスの作製に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請研究を進める上での基幹技術であるマイクロパターン作製技術ならびに微小薬物送液システムの構築に成功したことからおおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目及び3年目は、構築した共培養下におけるお互いの細胞間シグナル応答を、1.神経接着分子の相互作用と発現変化、2.神経伝達物質放出の変化についてそれぞれ網羅的解析を行う。具体的には、1. 遺伝子群の変動を、Real-time PCR法、シングルセル解析、免疫沈降法、ウェスタンブロット法等を用いて遺伝子発現やタンパク質相互作用を解析し、共培養下において、変化したシグナルの同定を行う。同定されたシグナル分子をノックダウン法や阻害剤を用いることにより、機能的スクリーニングを行い、クロストークターゲット候補を絞り込む。
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