研究課題/領域番号 |
22K06777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
齊藤 清美 昭和大学, 薬学部, 講師 (70307065)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アディポネクチン / 唾液 / 統合失調症 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症の早期発見につながる新規バイオマーカーとして唾液中アディポネクチン濃度を指標とした早期診断法の開発を目的とした。本研究は唾液を検体として用いることで、より非侵襲的に無痛的に採取でき、患者への負担も少なく、臨床上有用であると考えられる。このことは、本研究が統合失調症の新規バイオマーカー開発を行う上で、特筆すべき独自性・創造性を有している。本研究により、新規の簡便に測定可能な統合失調症バイオマーカーを発見し、最終的には精神疾患における新しい早期診断法を開拓することで早期治療につながり患者のQOL向上が期待できる。
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研究実績の概要 |
統合失調症は発症してから治療開始までの期間が長いほど、治療効果が十分に発揮されず、社会的な機能が低下してしまうため、早期に発見して治療につなげることが疾患の予後改善に極めて重要である。早期発見につながる新規バイオマーカーとして唾液中アディポネクチン濃度を指標とした診断法の開発を目的としている。しかし統合失調症におけるアディポネクチン濃度変化については明らかではなく、 1) 唾液中と血中アディポネクチン濃度に相関性が存在するのか 2) 統合失調症患者における血中アディポネクチン濃度は健康成人と比較して低値または高値なのか の問いを解明していくこととした。 本年度は、目標症例数を各群40例とし、臨床研究が終了した。患者群および健康成人群の組み入れを実施し、研究対象者背景は年齢、性別、身長・体重、同意、同意取得年月日、初回発症年齢、発症年月日(診断日)、重症度評価(陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を使用)を収集した。健康成人は精神疾患簡易構造化面接法(MINI)を使用し、精神疾患ではないことを判定した。さらに現在の治療薬の名称および用法・用量、合併症の有無、疾患名および治療薬、喫煙歴、一般検査臨床データ(血液学的検査、血液生化学検査)を収集した。検体として、血液および唾液を採取し解析を進めた。現在までに血中および唾液中のアディポネクチン濃度測定が終了している。健康成人群において血中と唾液中アディポネクチン濃度に相関関係が示された。一方、患者群においては、相関関係は見られなかった。統合失調症の重症度とアディポネクチン濃度に相関関係があるのか、その他患者背景の各種因子とアディポネクチン濃度において相関関係の有無を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は臨床研究を実施し、患者および健康成人の組み入れが順調に進行し、目標症例数を達成できた。血液および唾液検体も問題なくアディポネクチン濃度を測定できているため、おおむね計画通りの進行である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はレプチン、レジスチン、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6、IL-1β)、クロモグラニンA、唾液 pHを測定予定である。さらに統合失調症の病態と相関性のある評価項目の同定を行う。また、評価項目の組合せによる統合失調症の病態指標候補因子の探索を行う。
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