研究課題/領域番号 |
22K06781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
杉田 隆 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (10312076)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | マイクロバイオーム / マラセチア / コリネバクテリウム / 脱毛 / 脱毛症 |
研究開始時の研究の概要 |
「男性型・女性型脱毛症」(AGA)は、毛包内で毛の生まれ変わる周期の中で成長期が短く休止期が長くなることで脱毛していく(毛包のミニチュア化現象)。正常な毛包内は、多種多様な微生物がバランスを保持しながら適正なマイクロバイオーム環境が構築されている一方で、AGA患者では、毛包のミニチュア化現象とともに炎症による脱毛が促進されることから、患者頭皮はマイクロバイオームが破綻した状態であると考えられる。本研究では、AGA患者の破綻した頭皮環境に正常マイクロバイオームを移植することで適正なマイクロバイオーム環境を再構築することでAGAの治療を可能とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、男性型脱毛症(AGA)の患者群と非AGA群の両方の頭皮(側頭部)に存在するマイクロバイオーム(細菌および真菌)を次世代DNAシーケンサーを用いて網羅的に解析した。細菌マイクロバイオームの解析では、Cutibacterium属菌、Staphylococcus属菌、およびCorynebacterium属菌が両群で主要な構成菌であった。非AGA群と比較した場合、AGA患者群ではCutibacterium属菌とCorynebacteriumのdysbiosisが観察された。このことからCutibacterium属菌がAGA患者の頭皮環境により適応していると推定された。真菌マイクロバイオームの解析では、好脂性真菌であるMalassezia restrictaが両群共に主要な構成菌種であった。さらにqPCRを用いて定量的に解析したところ、AGA患者群での定着量が非AGA群よりも有意に多いことが明らかになった。Cutibacterium属菌とMalassezia属菌は共に自身が産生するリパーゼにより皮脂を加水分解し、それを栄養源として増殖するため、AGAの皮脂量の増加に伴う現象と考えられる。 側頭部の解析結果は、以前の研究で明らかにされた頭頂部の結果と類似してしいた。さらに、AGA患者群に特異的に存在するグラム陽性細菌の存在も特定した。今後、この細菌がAGAの発症を引き起こすトリガーの一つになっている可能性を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り男性型脱毛症(AGA)の患者群と非AGA群の頭皮のマイクロバイオームの網羅的な解析から、両群に特徴的なマイクロバイオームを明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の企図はAGAの改善にマイクロバイオーム移植療法を提案することである。これを可能とするには移植用マイクロバイオームを選別する必要がある。非AGA群に有意に定着している細菌を供試菌株として三次元皮膚細胞培養モデルを用いて炎症のノックダウンが可能か検証する。
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