研究課題/領域番号 |
22K06786
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
武智 正樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10455355)
|
研究分担者 |
古寺 敏子 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90822809)
足立 礼孝 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10631533)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 鼓膜 / 中耳 / 咽頭弓 / 進化発生 / 空間オミクス解析 / 収斂進化 / 形態進化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず聴覚器スライス培養のライブイメージングによりマウスとニワトリ・ヤモリの鼓膜形成の相違を明らかにする。次にマウス鼓膜形成メカニズムを明らかにするため、Gscノックアウトマウス胎児の鼓膜形成領域を用いたChIP-seqやRNA-seqを行い、Gscの下流で鼓膜形成に関与している遺伝子を探索する。さらにこの遺伝子が関与するシグナル伝達がニワトリの鼓膜形成に関与するかについて検証する。当該シグナル伝達の活性剤や阻害剤を孵卵中のニワトリ胚に滴下または聴覚器スライス培養の培養液中に投与し、鼓膜形成過程を検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、鼓膜の収斂進化は全く異なる分子メカニズムにより成立したのか、それとも共通の分子メカニズムがあるのかを明らかにすることである。令和4年度において、本研究課題に対する先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(第2期先進ゲノム支援)支援により、マウス胚(胎齢12.5-15.5日)とニワトリ胚(胎齢6-10日)における鼓膜形成領域の薄切切片を用いて空間オミクス解析を行った。令和5年度はこれらのデータの再解析・再評価を行った。マウス12.5-15.5 日胚とニワトリ6-10 日胚の全細胞を遺伝子発現プロファイルにより32クラスターに分類した。このうち、鼓膜周囲に間葉に発現している2つのクラスターに着目し、ニワトリ胚の複数の発生ステージで鼓膜周囲に発現している遺伝子を鼓膜形成関連遺伝子の候補として抽出した。これらの遺伝子の多くは、マウス胚の空間オミクス解析データでは鼓膜周囲に発現しておらず、マウスでは鼓膜形成に関与しないと考えられた。一方で、外耳道上皮では同一シグナル伝達に関与する遺伝子群がマウス胚とニワトリ胚で同様の発現パターンを示していた。またマウスで鼓膜形成に重要な役割を果たすことがすでに明らかになっている複数の遺伝子は、ニワトリ胚の空間オミクス解析データでは鼓膜周囲には発現が見られなかった。これらの結果から、哺乳類系統と爬虫類-鳥類系統における鼓膜形成メカニズムには一部共通点があるものの、それぞれが独自性を有している可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(第2期先進ゲノム支援)支援により、鼓膜形成関連遺伝子の探索が順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はマウスとニワトリにおける鼓膜形成関連遺伝子の探索を進めるとともに、鼓膜形成に異常をきたすノックアウトマウスの胚発生について解析する予定である。
|