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機械的刺激による骨芽細胞分化促進の新規メカニズム―転写共因子VGLL3の機能

研究課題

研究課題/領域番号 22K06790
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分48010:解剖学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

池亀 美華  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (70282986)

研究分担者 岡村 裕彦  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (20380024)
平山 晴子  岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教 (40635257)
福原 瑶子 (内田瑶子)  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60779742)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード骨芽細胞 / VGLL3 / 選択的スプライシング / 骨芽細胞分化 / 機械的刺激 / スプライシング
研究開始時の研究の概要

我々は、機械的刺激による骨芽細胞分化促進に伴い著しく増加する新規因子としてVGLL3を見出し、さらに、VGLL3は選択的スプライシング調節機能をもつ可能性をつかんでいる。本研究では、培養細胞と実験動物を用いて、VGLL3の骨芽細胞分化や骨形成における働き、さらに遺伝子のスプライシングバリアント発現への影響について解析する。その結果、新たな骨芽細胞分化調節機構が明らかになることが期待される。

研究実績の概要

骨芽細胞分化のメカニズムを解明することは骨疾患の病因解明や治療法開発に重要であり、近年、選択的スプライシングが病因となりうることも解ってきた。 我々は、機械的刺激による骨芽細胞分化促進に伴い著しく増加する新規因子として転写共因子VGLL3を見出し、これが骨芽細胞分化に重要な因子であること、さらに、VGLL3には選択的スプライシング調節機能がある可能性もつかんでいる。本研究の目的は、VGLL3の骨芽細胞分化における機能を解析し、さらにスプライシ ングバリアント発現について検討し、新たな骨芽細胞分化調節メカニズムを解明することである。
2023年度には、VGLL3遺伝子発現阻害することにより発現変化したスプライシングバリアントを、RNAシーケンスのデータを研究協力者の王が開発したプログラムによって網羅的に解析することを試みた。その結果、スプライシングバリアントの発現が、有意差をもって変化した遺伝子は、解析した総数15,232個のうち、583個であった。それらのうち、発現量には有意差がないが、選択的スプライシングに違いを生じたものは515個であった。つまりこれらの因子は、VGLL3の発現が抑制されることにより、転写量の調節ではなく、転写後の選択的スプライシングに違いを生じた因子ということになる。さらに遺伝子オントロジー(GO)エンリッチメント解析の結果、スプライシング変化が大きかった上位20のうち、11のGOは、RNAプロセシングやスプライシングに関係したものであった。これらの結果は、VGLL3がスプライシング調節に関与している可能性を示すものである。具体的にどのように関与しているかは今後の課題であるが、骨芽細胞分化の調節におけるVGLL3が果たす新しい役割の解明の足掛かりとなる貴重な情報である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度に生じた解析の遅れが影響しているためである。しかし、RNAシーケンスのデータ解析を進めることができ、選択的スプライシングに関して一定の進展を得ることができた。

今後の研究の推進方策

Vgll3ノックアウトマウスの作製あるいは入手については、予算的、人的パワーの側面から本研究では断念し、代わりにin vitroでの実験に重点を置く方策に切り替える。
VGLL3がスプライシングに何らかの影響を与えていることはわかってきたので、今後は、VGLL3が選択的スプライシングに関与するメカニズム解明をすすめてゆく。そのため、VGLL3のノックダウンによって有意に発現変化した因子、あるいはスプライシングに大きな変化を生じた因子の中で、骨芽細胞の分化やスプライシングに重要な役割を持つ因子を検索し、遺伝子発現調節実験により、それらの意義を実験的に検証する。
また、FlagタグをつけたVGLL3の強制発現に再度挑戦し、結合パートナー中にスプライシング関係因子を検索する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] ハルビン医科大学(中国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Vestigial-Like 3 Plays an Important Role in Osteoblast Differentiation by Regulating the Expression of Osteogenic Transcription Factors and BMP Signaling2022

    • 著者名/発表者名
      Haoze Yuan, Mika Ikegame, Yoko Fukuhara, Fumiko Takemoto, Yaqiong Yu, Jumpei Teramachi, Yao Weng, Jiajie Guo, Daisuke Yamada, Takeshi Takarada, Ying Li, Hirohiko Okamura & Bin Zhang
    • 雑誌名

      Calcif Tissue Int

      巻: 111 号: 3 ページ: 331-344

    • DOI

      10.1007/s00223-022-00997-7

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Identification of novel target genes of Vgll3 in osteoblast differentiation2024

    • 著者名/発表者名
      He Yuhan, Wang Ziyi, weng Yao, Sitosari Heriati, Zheng Yilin, 福原瑶子、池亀美華、岡村裕彦
    • 学会等名
      日本解剖学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The role of Vgll3 in pre-mRNA alternative splicing in osteoblasts2023

    • 著者名/発表者名
      He Yuhan, wang Ziyi, 福原瑶子、池亀美華、岡村裕彦
    • 学会等名
      Brain storming 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Vestigial-like3は骨芽細胞の初期分化において重要な役割を果たす2022

    • 著者名/発表者名
      池亀美華、福原瑤子、岡村裕彦
    • 学会等名
      第40回 日本骨代謝学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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