研究課題/領域番号 |
22K06795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
齋野 朝幸 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40305991)
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研究分担者 |
横山 拓矢 岩手大学, 農学部, 准教授 (70772094)
東尾 浩典 岩手医科大学, 教養教育センター, 准教授 (50342837)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 細胞内Ca2+ / 耳下腺 / 微量アミン関連受容体 / 微量アミン / 外分泌腺 / 微量アミン受容体 / 細胞内カルシウムイオン |
研究開始時の研究の概要 |
微量アミン(trace amine:TA)は生体アミンと共に分泌され、感情や認知に関する障害に関与すると言われる。認知機能低下時には唾液分泌も障害される。TAも様々な外分泌活動の制御にかかわっている可能性が高いが、加齢や神経疾患において、このTAが外分泌腺に対し、どのような影響を与えるかについては不明である。そこで我々は、TA並びにTA関連受容体(TAAR)に着目し、組織形態を保ったラットの外分泌腺において、TAARが外分泌機能に影響を与えるか否かを、細胞内Ca2+濃度変動を指標として解析し、神経-外分泌機能連関を機能形態学的観点から解明しようと企図したのが本研究である。
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研究実績の概要 |
微量アミン(trace amine:TA)は生体アミンに比べ微量に存在し、モノアミンの機能調節に関わる。感情や認知障害に関与し、認知機能低下時には唾液分泌も障害される。我々は、TA関連受容体(TAAR)に着目し、ラット耳下腺において細胞内Ca2+濃度変動を指標として機能形態学的観点から解明しようと企図したのが本研究である。 昨年度実行できなかったことを継続して行った。RT-PCRの確認によって、発現が強く、中枢神経系での作用がある程度確認されているTAAR1に着目した実験を継続して行っている。共焦点レーザー顕微鏡を用いてTAAR1刺激薬のRO5256390を用いてCa2+反応を確認した。細胞内Ca2+上昇機構について検討したところ、流入と放出の双方が関与している事を確認した。Ca2+流入系では、L型が優位に働いている可能性が高い傾向を認めた。また、細胞内ストアでは、IP3受容体が主である可能性が高いが、その他が関与する可能性もあり今後再検討を重ねる。さらに、細胞内シグナルにおいて、各種Protein kinase(PK)の関与を検討した。PKAを抑制すると、細胞内外からのCa2+の流入が強く抑制された。今現在、この機構についてAキナーゼ単独か、cAMPを介する経路(EPAC)等が働いていないか検討を加える。その他のキナーゼについても関与がないか詳細を明らかにする。今現在の実験結果からcalmodulin kinase II (CAMKII)の関与も強く推察されている。加えて、今後更に各種試薬に対する細胞内情報伝達系の機構の解析を進めていく。次年度中に国際雑誌への研究成果の発表を行う予定であり、残りの期間更に実験およびデータ収集・解析を加速していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年は標本作製や、コロナウイルス感染症関連で実験が滞り、思ったように実験が進ます、結果の回収が滞った。しかしながら、コロナウイルス感染が落ち着きつつあった事も加わり、実験がうまく進行できるようになった。ラット耳下腺腺房細胞標本の安定した標本作成も行えるようになり、今現在安定したCa2+イメージング実験が行えている。今の実験をこのまま継続し、各種試薬を用いてさらなる実験、および実験データの収集に努力する。次年度中に国際雑誌への研究成果の発表を行う予定である。今後の研究についてもほぼ順調に行えると考えている。今後残りの期間更に実験を加速し実験データ収集に努力していく所存である。
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今後の研究の推進方策 |
安定した標本作製、及び実験時間の確保が行えており、次年度の研究に特に問題を認めない。さらなる安定した標本作成、並びに実験データの収集に加えて、考えられる各種細胞伝達系試薬を用いて、TAAR1に対する反応性の検討を加えて行う。カルシウムイメージングの本実験を更に加速させ、外分泌腺である耳下腺でのTAAR、特にTAAR1の細胞内情報伝達系におけるその反応機構の詳細を明らかにしていく。集められたデーターを元に再検討を加える。イメージング実験が終了後、電子顕微鏡による開口放出状況の検討、並びにアミラーゼ分泌の生化学的な解析を加えていきたい。TAAR1受容体がどこに存在するか(細胞膜や細胞膜以外)、可能であれば免疫組織化学的実験等を加えて検証していく予定である。
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