研究課題/領域番号 |
22K06809
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
今崎 剛 神戸大学, 医学研究科, 助教 (60631661)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 転写制御 / クライオ電子顕微鏡 / クライオ電顕 / 単粒子解析 / 蛋白質複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
転写メディエーター複合体CDKモジュール (以下CDKM)は転写の抑制,基質のリン酸化や転写活性化因子リクルートによる転写活性化を行うメディエーターの活性のON/OFFを切り替える重要因子である.本研究ではクライオ電子線顕微鏡単粒子解析を用いてCDKMと基質の高分解能構造解析,変異体を用いた解析を行い, CDKMの基質認識機構、疾病原因変異と機能の関連を解明する.
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研究実績の概要 |
転写メディエーター複合体(以下メディエーター)はRNA polymerase II (Pol II)の転写開始時の制御を行う超分子複合体である. Pol IIに直接結合し転写活性化 を行うコアメディエーターと, コアメディエーターに結合し転写の抑制, キナーゼサブユニットによるPol IIのC末端ドメイン(CTD)のリン酸化や, 転写活性化因 子のリクルートによる転写活性化を行うCDKモジュール (以下CDKM)から構成されている. つまりCDKMはメディエーターの活性のON/OFFを切り替える最重要因子である. さらにCDKMの変異は精神性疾患, 大腸癌, 肉腫など疾病とも関連している. その重要性にもかかわらずCDKMの分子レベルでの‘転写制御機構は未だ不明である. 本研究では (A) クライオ電子線顕微鏡単粒子解析を用いてCDKMと基質の高分解能構造解析 (B) 組換えタンパク質のヒトCDKMとその変異体を用いたリン酸化アッセイによる, 変異のリン酸化への影響の解析 を行い, CDKMのリン酸化機構, そしてCDKMに数多くある疾病原因変異とこれら活性との関連を解明する. 今年度はこれまでの条件では構造解析が難しく, タンパク質の安定性がクライオ電子顕微鏡単粒子解析に必須であることが判明した. この問題解決のため、タンパク質の安定化に向けた試料調製, 安定な基質との複合体調製条件の検討, ならびにグリッド作成条件の検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はこれまでの条件では構造解析が難しく, タンパク質の安定性がクライオ電子顕微鏡単粒子解析に必須であることが判明した. そのためコンストラクトのうちMed12とMed13サブユニットの長さが異なる変異体をいくつか作成し, 複合体調製, ネガティブ染色電子顕微鏡解析, クライオ電子顕微鏡解析を行ってみたが依然粒子の外形が一定ではなく, サンプル調製が不十分であることが分かった. またグリッド作成の際の氷の厚みが厚いときは粒子が観察出来るが, 氷が薄くなると粒子が壊れていた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は最近報告された AlphaFold3 を用いてCDKMコンストラクトの構造を形成する箇所を選定, この情報を元に効率的にタンパク質発現コンストラクトデザインの最適化, ならびにタンパク質Bufferの最適化, 基質の調製等の条件検討を行いクライオ電子顕微鏡単粒子解析を目指す.
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