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延髄自律神経中枢へ投射するオキシトシン神経系の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06844
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分48020:生理学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

福島 章紘  名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (60799782)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードオキシトシン / 自律神経 / 視床下部室傍核 / 自律神経系
研究開始時の研究の概要

視床下部は体温や血圧など基本的な身体内部状態の維持に加え,情動行動中枢としても機能する.視床下部室傍核に由来するオキシトシン神経系は,社会的行動を司る脳領域へ投射すると同時に,交感・副交感両神経系を制御する延髄の領域へも投射しており,申請者は延髄縫線核へ投射するオキシトシン神経系が交感神経活動を促進することを見出している.本研究では,延髄の自律神経制御領域へ下行性投射するオキシトシン神経系の覚醒下活動を観察,操作することで,オキシトシン神経系の活動と情動行動中に惹起される自律神経反応との因果関係を明らかにする.

研究実績の概要

本研究は,延髄の自律神経制御領域へ下行性投射するオキシトシン神経系を対象として,情動にともなう自律神経反応表出におけるオキシトシン神経伝達の関与を明らかにすることを目指し,そのために(1)交感神経活動・副交感神経活動を制御する延髄内諸領域におけるオキシトシンの作用の検討,(2)各自律神経制御領域へ投射するオキシトシン神経系の覚醒下活動を観察・操作すること,を計画している.
このうち(1)については,昨年度に引き続き,麻酔ラットの心血管応答が観察可能なインビボ実験系を用いて,副交感神経出力部位である迷走神経背側複合体におけるオキシトシンの作用の検討を進めている.また心血管系の交感神経性制御を担う吻側延髄腹外側野についても検討を進めており,オキシトシンが圧受容器反射機能を変化させるという結果を得ることができた.
(2)オキシトシン神経系の覚醒下観察・操作については引き続き,昨年度導入したOXT-Creマウスを用いて,カルシウム感受性蛍光タンパクの発現導入と覚醒下イメージング系の確立を進めている.特に本年度は,延髄諸領域(延髄縫線核,吻側延髄腹外側野,迷走神経背側複合体)からのリコンビナーゼ依存的なカルシウム感受性蛍光タンパク(GCaMP8)の逆行発現が可能なAAVの作製に成功した.今後このAAVを用いることで,当初計画していた投射先選択的なオキシトシンニューロンの活動観察が可能になると考えられる.
また本年度は,本研究課題に関連した学会口頭発表を3件,雑誌総説を1件おこなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,視床下部室傍核に由来するオキシトシン神経系の自律神経活動への作用と,その活動の観察・操作を目指している.麻酔ラット延髄におけるオキシトシン作用の検討については,自律神経活動を司る領域として延髄縫線核,迷走神経背側複合体,延髄腹外側野を対象に計画しており,これらの領域での作用を調べるための実験系は確立できているため,問題なく進められる状況である.3年目に計画していたオキシトシン神経系の活動観察・操作についても,遺伝子改変マウスと逆行性AAVを組み合わせた投射先選択的なGCaMP発現系が確立できたことから,来年度から覚醒下での観察が可能になると考えられる.以上の進捗状況に鑑み,本研究は現段階では おおむね順調に進展していると判断する.

今後の研究の推進方策

麻酔ラットの自律神経活動記録,オキシトシン神経系の活動観察・操作ともに当初の計画通り進めていく予定である.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (5件)

  • [雑誌論文] 体温調節の中枢神経回路とその多様な生理的役割2023

    • 著者名/発表者名
      福島章紘,中村和弘
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 50 ページ: 14-17

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] An oxytocinergic neural pathway that stimulates thermogenic and cardiac sympathetic outflow2022

    • 著者名/発表者名
      Fukushima Akihiro、Kataoka Naoya、Nakamura Kazuhiro
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 40 号: 12 ページ: 111380-111380

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2022.111380

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Prostaglandin EP3 receptor expressing preoptic neurons bidirectionally control body temperature via tonic GABAergic signaling2022

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Yoshiko、Yahiro Takaki、Fukushima Akihiro、Kataoka Naoya、Hioki Hiroyuki、Nakamura Kazuhiro
    • 雑誌名

      Science Advances

      巻: 8 号: 51

    • DOI

      10.1126/sciadv.add5463

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Oxytocinergic nervous system that facilitates sympathetic thermogenesis2024

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Fukushima, Kazuhiro Nakamura
    • 学会等名
      第101回日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Tonic GABAergic signaling from prostaglandin EP3 receptor-expressing preoptic neurons bidirectionally controls body temperature2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Nakamura, Yoshiko Nakamura, Takaki Yahiro, Akihiro Fukushima, Naoya Kataoka, Hiroyuki Hioki
    • 学会等名
      American Physiology Summit
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 褐色脂肪熱産生を駆動するオキシトシン神経系2023

    • 著者名/発表者名
      福島章紘, 中村和弘
    • 学会等名
      温熱生理研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 体温調節の多臓器反応を統合的に制御する中枢ニューロン2023

    • 著者名/発表者名
      中村和弘、中村佳子、八尋貴樹、福島章紘
    • 学会等名
      日本生理学会 第100回記念大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 体温の中枢制御システムの基本原理2023

    • 著者名/発表者名
      中村佳子、八尋貴樹、福島章紘、片岡直也、日置寛之、中村和弘
    • 学会等名
      第17回 環境生理学プレコングレス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 褐色脂肪熱産生を駆動するオキシトシン神経系2022

    • 著者名/発表者名
      福島章紘
    • 学会等名
      Biothermology Workshop 2022 & 温度生物学若手の会 合同シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [備考] 名古屋大学大学院医学系研究科 統合生理学講座

    • URL

      https://www.med.nagoya-u.ac.jp/physiol2/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 名古屋大学研究成果発信サイト『"愛情ホルモン" オキシトシンが脂肪を燃やすための脳の神経路を発見』

    • URL

      https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2022/09/--.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 日本生理学会サイエンストピックス『オキシトシンが脂肪を燃焼させるための神経路 ~愛は脂肪を燃やす~』

    • URL

      http://physiology.jp/wp-content/uploads/2023/01/ScienceTopics_20230201_7-10.pdf

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] JST News『「愛情ホルモン」の作用メカニズムを解明』

    • URL

      https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/backnumber/2022/202212/index.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 名古屋大学研究成果発信サイト『体温を調節するマスター神経細胞を同定』

    • URL

      https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2022/12/post-421.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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