研究課題/領域番号 |
22K06845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
蓑部 悦子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00448581)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Cav1.2チャネル / カルモジュリン / 不活性化 / パッチクランプ / カルシウム / inside-out |
研究開始時の研究の概要 |
L型Caチャネル(Cav1.2)は、細胞内のCaの濃度調整に重要であり、筋肉、神経や分泌細胞に分布し、筋収縮、遺伝子発現、シナプス伝達、ホルモン分泌などに関与する。チャネルの活性調節にはカルモジュリン(CaM)が必須であるが、その分子機構は解明されていない。 チャネルの活性とCaMの結合部位との機能的相関を明らかにすることを目的とし、電気生理学的手法を用いて解析を行う。チャネルのC末端切断部にCaMを繋いだ変異体(チャネル‐CaM複合体)を作成し、CaMによる直接作用を明確にする。この複合体にアミノ酸変異を導入、またはN末端領域を切断し、生理的条件下での不活性化の分子機構を追究する。
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研究実績の概要 |
Cav1.2チャネルの活性調節には、細胞内Ca2+センサー蛋白であるカルモジュリンが不可欠である。本研究では、カルモジュリンによるCav1.2チャネルの不活性化機構を明らかにするために、結合実験と電気生理学実験を行った。Cav1.2チャネルの不活性化については、さまざまなモデルが報告されており、統一した見解に至っていないのが現状である。我々は、Cav1.2チャネルのカルボキシル末端部(C末端部)に2分子のカルモジュリンが同時に結合し、チャネルを不活性化するという新規のモデルを提唱し、検証してきた。これまでに、Cav1.2チャネルのC末端部ペプチドに2分子のカルモジュリンが結合すること、チャネルのアミノ末端部(N末端部)を除いたチャネルでは、Ca2+依存性の不活性化が消失し、カルモジュリン濃度依存性の不活性化に影響はないことが示された。これらの結果は、Cav1.2チャネルの不活性化に、カルモジュリンがチャネルのN末端部とC末端部を架橋する様式と、チャネルC末端部に2分子のカルモジュリンが結合する様式の2つがあることを示唆する。 本研究では、さらにチャネルC末端部のカルモジュリン結合の責任部位と予想される部位にアミノ酸変異を導入し、それらのペプチドとカルモジュリンの結合実験と、チャネル変異体の不活性化を電気生理学実験で検討した。C末端部のカルモジュリン結合部位は、preIQとIQドメインがある。結果から、preIQとIQドメインへのカルモジュリンの結合はどちらもチャネルのCa2+依存性不活性化に必要であり、カルモジュリン濃度依存性の不活性化の責任部位はIQであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた結合実験のデータが取得でき、電気生理学実験も順調に進行している。しかし、一部のチャネル変異体の培養細胞での発現が確認されず、その原因を究明中である。また、増幅装置の動作が不安定であり、対応できていない。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、発現に問題があるチャネル変異体のプラスミドの確認を行う。ベクターの載せ替えなどを考える。この問題が解決した後、必要なデータを取得し、研究結果を論文にまとめ、雑誌への投稿に向け準備をすすめる。
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