研究課題/領域番号 |
22K06850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
倉田 康孝 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00267725)
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研究分担者 |
津元 国親 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (70353331)
九田 裕一 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50566916)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | システム生理学 / 非線形力学 / 分岐解析 / 数理モデル / シミュレーション / 心筋細胞モデル / 心臓自動能 / 分岐理論 / コンピュータシミュレーション / モデルデータベース |
研究開始時の研究の概要 |
心臓における自動能・不整脈の発現機序解明には、非線形システムの分岐理論に基づいた理論的解析が不可欠である。 本研究では、科学技術計算ソフトウェアMATLABを用いてヒト固有心筋と特殊心筋細胞における電気現象を記述する数理モデルの新たなデータベースを作成し、心筋細胞における分岐現象解析のためのMATLABシステムを構築して、分岐理論に基づく心臓自動能発生機序の統合的解明を行う。分岐解析によって新たなヒト特殊心筋細胞モデルを作成し、生理学者にも扱い易い独自のヒト心筋細胞モデルデータベースを構築することで、心臓自動能の起源・発生機序の数理生理学的研究やヒト心臓モデル構築のための理論的基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、心臓生理学者のためのヒト固有心筋および特殊心筋細胞の新たなモデルデータベースを作成し、ヒト心筋細胞における分岐現象の解析システムを構築して、非線形システムの分岐理論に基づく心臓自動能の起源・発生機序の数理生理学的研究やヒト心臓モデル構築のための理論的基盤を確立することである。 2023年度は、2022年度に作成したヒト心房筋・心室筋細胞および洞房結節細胞モデルのデータベースを基に、ヒト幹細胞由来心筋細胞等から得られた最新の電気生理学的実験データから各モデル細胞の実験データ再現性を再検証し、ヒト心房筋・心室筋細胞および洞房結節細胞の標準モデルを改良するとともに、新たにヒト心臓Purkinje線維細胞モデルのモデルデータベースへの組み込みを試み、科学技術計算ソフトウェアMATLAB(MathWorks Inc., USA)のプログラミングモジュールとしてデータベース化することができた。さらに、MATLABおよび分岐追跡ソフトウェアMATCONTを用い、ヒト心室筋・心房筋および洞房結節細胞モデルとともに、ヒトPurkinje線維細胞における自動能の発生機序を解析するための分岐現象解析システムを構築し、データベース化した各モデルのMATLABプログラム(スクリプトファイル)に実装することができた。Purkinje線維細胞モデルは実験で得られた実細胞の自発性活動電位やQT延長症候群における早期後脱分極などの異常自動能をよく再現し、特殊心筋における自動能の発生機序や不整脈発生機序の解析に適していることが証明された。また、これらの細胞モデルの分岐解析により、洞房結節細胞とPurkinje線維細胞(および病的心房・心室筋)では自動能発生の非線形力学的機序(分岐パターン)に本質的な違いがあることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度に引き続き、各心筋細胞(洞房結節、心房・心室筋、Purkinje線維細胞)のモデルを構築し、自動能発現の非線形力学的機序を統合的に解明するために、モデル細胞の分岐構造(非線形システムの分岐現象)を精密に解析している。11個の細胞モデルの分岐構造を解析・検証しているが、複雑な高次元非線形システムの分岐構造解析は通常のシミュレーションに比べてはるかに時間がかかる上に、Purkinje線維細胞モデルの追加によりモデル数が増加したため、現有のワークステーションでは当初の予定通りの計算が進まず、分岐解析データの生成が予定よりやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
メモリ(RAM)のさらなる増設などでワークステーションのスペック向上(性能アップ)を図り、計算を高速化することで、分岐解析・シミュレーション解析をより効率的に進める必要がある。また、今後はGPU増設とGPU対応ソフトウェア(MATLAB Parallel Computing Toolbox)の導入による計算の高速化、あるいはワークステーションの追加購入も検討している。
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