研究課題/領域番号 |
22K06867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 城西大学 (2023) 杏林大学 (2022) |
研究代表者 |
木村 徹 城西大学, 薬学部, 准教授 (30433725)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アミノ酸トランスポーター / 多発性嚢胞腎 / 肝嚢胞 / アミノ酸輸送体 |
研究開始時の研究の概要 |
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は腎嚢胞形成が特徴で、最終的に透析を伴う末期腎不全になる場合が多い。このADPKDは腎臓のみならず、肝臓にも嚢胞を併発する場合が多くみられるが、その詳細は理解されていない。申請者らは、アミノ酸投与によって肝嚢胞が悪化することを見いだしている。本研究計画では、アミノ酸輸送経路を解明し、それをターゲットとする嚢胞形成抑制薬の開発につなげる研究を行う。
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研究実績の概要 |
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は腎嚢胞形成が特徴で、最終的に透析を伴う末期腎不全になる場合が多い。ADPKDモデルマウスにBCAA分岐鎖アミノ酸を投与すると、腎嚢胞の形成が促進されることを報告した。また、ADPKD患者やそのモデルマウスにおいて、腎嚢胞形成部位にLAT1輸送体が高発現することを見出した。よって、アミノ酸ならびにLAT1 は、腎臓の嚢胞の形成や増悪過程に非常に重要な因子である。 ADPKD患者は腎嚢胞だけでなく肝嚢胞を併発する場合が多く(平均60~80%)、ADPKDモデルマウスにおいても肝嚢胞を形成する。この肝嚢胞の形成は、腎嚢胞と同様にBCAA投与で悪化することから、LAT1輸送体の発現が考えられた。しかしながら、ADPKDモデルマウスの肝嚢胞にその輸送体の発現は見られなかった。そこで、肝嚢胞形成に関わる輸送体の同定を試みた。 先述の通り腎嚢胞形成部位に発現するLAT1輸送体の発現は肝嚢胞に見られなかったが、ADPKDモデルマウスの肝嚢胞において、多くのアミノ酸輸送体と共有結合を形成し、その細胞膜表面での機能発現を補助する4F2hcの発現が確認できた。また、ADPKDモデルラットにおいても同様に、4F2hcの発現が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学を異動したため、機材・サンプルの移動や研究のセットアップに時間をとられてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
先述の通り、ADPKDモデルマウスの肝嚢胞において、腎嚢胞と同様にLAT1の発現は検出できなかったが、多くのアミノ酸輸送体と共有結合を形成し、その細胞膜表面での機能発現を補助する4F2hcの発現が確認できた。4F2hcはLAT1のみならず、LAT2, y+LAT1, y+LAT2, Asc-1, xCTといったアミノ酸輸送体の補助サブユニットとして働く。そこで、これらアミノ酸輸送体の抗体を用いて免疫染色を行い、嚢胞に発現する輸送体の同定を行う。 特に、そのうちの1つの輸送体は肝嚢胞に発現することを確認済みであるが、複数の輸送体の関与も考えられるため、さらなる検討を行う。またPKDモデルラットに対して、見つかった輸送体の基質となるアミノ酸を過剰投与し、肝嚢胞の形成の程度を検討する。
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