研究課題/領域番号 |
22K06869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
酒井 寛泰 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (00328923)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シスプラチン / 筋萎縮 / miRNA / miR-29-3p family / IGF-1 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、先行研究において、シスプラチンの筋萎縮発症時の骨格筋において IGF-1 の発現量が著明に減少し、さらにIGF-1 をターゲットとするmiR-29-3p family が有意に発現上昇することを見いだした。しかし、これらの発現制御が、筋萎縮の発症機序において因果関係で結ばれるか否かについては未だ明らかになっていない。そこで、本研究では、シスプラチン投与によるmiR-29-3p family の発現上昇が IGF-1発現の減少につながり筋萎縮に影響を与えるかを多角的に検証する。
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研究実績の概要 |
申請者はこれまでに、多くのがん腫治療に使用されるシスプラチンが骨格筋萎縮を引き起こし、がん患者の予後不良因子となることを示唆したが、その発症機序は十分に理解されておらず、解明すべき課題である。申請者らは先行研究 (15K18880 および18K06706) において、シスプラチンの筋萎縮発症時の骨格筋において IGF-1 の発現量が著明に減少し、さらにIGF-1 をターゲットとするmiR-29a-3a, miR-29b-3pおよびmiR-29c-3p (miR-29-3p family) が有意に発現上昇することを見いだした。しかし、これらの発現制御が、筋萎縮の発症機序において因果関係で結ばれるか否かについては未だ明らかになっておらず、昨年度はそれらのターゲットである extracellular matrix の構成成分である procollagen や elastin などの遺伝子発現をシスプラチン投与マウスおよびシスプラチン処置のC2C12筋管細胞で検討し、有意な発現抑制が引き起こされていることを明らかにした。2023年度は、miR-29-3p family の他のターゲットである Pgc-1alpha とその下流発現調節されている Fndc5/Irisin の遺伝子発現をシスプラチン投与マウスおよびシスプラチン処置のC2C12筋管細胞で検討し、有意な発現抑制が引き起こされていることを明らかにした。したがって、種々のmiR-29-3p family のターゲットもシスプラチンによって発現がコントロールされている可能性が示唆され、シスプラチンによる筋萎縮時のmiR-29-3p familyの発現上昇の機能的意義や病態生理学的意義がさらに高まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シスプラチン誘発筋萎縮時のmiR-29-3p familyの発現上昇の意義をextracellular matrix の構成成分や Pgc-1alpha などの発現低下により見出しているが、当初の計画であるmiR-29a-3a, miR-29b-3pおよびmiR-29c-3p の miRNA inhibitor およびmiRNA mimicを transfection Reagent を使用して細胞へ導入し、シスプラチン処置後、筋管細胞の直径を比較検討する予定であり、未だ効率よくtransfectionできる条件が確立できていないため、やや遅れている。シスプラチン誘発筋萎縮時のmiR-29-3p familyの発現上昇の意義を他の検討により見出している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の結果より、シスプラチン投与マウスの骨格筋においてmiR-29-3p family のターゲットの1つであるPgc-1alpha の下流で発現調節されている Fndc5/Irisin の発現まで低下していることを明らかにし、認知機能に影響を与えることが知られている 血中 Irisin の濃度まで低下していた。このIrisin の血中濃度低下はシスプラチン投与患者のケモブレインの発症に関与している可能性がある。今後、C2C12筋管細胞へのmiRNA inhibitor の処置スケジュールが確立次第、同時にmiR-29a-3a, miR-29b-3pおよびmiR-29c-3pのそれぞれ mRNA mimic およびコントロールを transfection Reagent にて細胞へ導入し、シスプラチン処置後、筋管細胞の直径を比較検討すると同時にmiR-29a-3a, miR-29b-3pおよびmiR-29c-3p ターゲットの発現変動を解析する予定である。その結果を踏まえて、miRNA inhibitor (Alexa Fluor 647 dye で標識) を、Invivofectamine を使用してマウスの尾静脈に投与し、我々が用いている常法によってシスプラチンを 4 日間連日投与し最終投与の 24 時間後に認知機能、握力、四肢筋力の測定、血液および各種骨格筋を採取した後、骨格筋重量測定を行い、シスプラチン投与開始から骨格筋摘出日までの体重、摂食量、摂水量、筋力および認知機能をモニタリングする予定である。
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