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タンパク質分解機構GOMEDの分子機構および神経変性疾患の病態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06909
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49010:病態医化学関連
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

山口 啓史  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (50644241)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードタンパク分解 / 神経変性 / ゴルジ体 / オートファジー
研究開始時の研究の概要

GOMEDは、申請者たちが発見した、通常のオートファジーとは異なるタンパク質分解機能である。本研究では、GOMEDの分子機構、生理機能を明らかにし、さらに疾患との関連を解明する。具体的には、(1)GOMED実行に必要な、Ulk1のリン酸化反応、Wipi3の脱リン酸化反応を中心に、これらの前後のシグナルを明らかにし、GOMED実行機構の全貌を明らかにする。また、(2)これらのGOMED分子が、生理機能を果たす上で、どのように機能するかを、膵b細胞、神経細胞を代表例として解析する。さらに、(3)GOMEDの異常による疾患であることを確定し、病態メカニズムを解明する。

研究実績の概要

Golgi-membrane-associated degradation pathway (GOMED)は、ゴルジ体から細胞外や細胞膜に輸送されるタンパク質の運搬が障害されたときに、行き場を失ったタンパク質が分解される機構であり、生理的に重要な役割を担っている。申請者は、このGOMED実行分子として、Wipi3の同定に成功した。さらに、Wipi3欠損 マウスは、鉄沈着を伴う神経変性疾患を示すことを見出したが、ヒトにおいてもWipi3遺伝子変異によって鉄沈着を伴う神経変性疾患を発症する。このことから、GOMEDが生体内において重要な生理的機能を有していることを示している。これまでに、(1) Wipi3がGOMED誘導時に脱リン酸化制御を受けること、(2) Wipi3リン酸化ミミック、脱リン酸化ミミック体をWipi3欠損細胞に導入した結果、Wipi3リン酸化ミミックでは、GOMEDの誘導が回復されなかったが、Wipi3脱リン酸化ミミックでは、GOEMDの誘導が回復された。これらの結果から、この脱リン酸化がGOMED実行に必要であることを見出した。また、(3) このWipi3脱リン酸 化に関与する脱リン酸化酵素を同定することができきた。さらに、(4) この脱リン酸化酵素を欠損すると、GOMED誘導が抑制され、また、この脱リン酸化酵素と Wipi3との相互作用も確認できた。このことから、この脱リン酸化酵素によるWipi3の脱リン酸化制御がGOMED誘導に必須であることが分かった。一方、(5) この脱リン酸化酵素の活性を抑制するタンパク質も同定することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本申請では、(1) Wipi3脱リン酸化に関与する脱リン酸化酵素を同定し、そのGOMEDの活性化・不活性化への影響を検証する、さらに(2) 膵b細胞や神経細胞に与える影響を検証し、(3) 神経変性症状を改善できる低分子化合物を開発することを目指している。(1)に関しては、脱リン酸化酵素の同定に成功し、Wipi3との相互作用も明らかにでき、概ね予定通り研究は進行している。(2)については、より詳細な検討を加えるため、マウスレベルでの実験を行う必要がある。Wipi3リン 酸化ミミック、脱リン酸化ミミックマウスの作製に着手し、表現型を解析中である。(3)については、低分子化合物ライブラリーに対し、Wipi3脱リン酸化、リン酸化を指標に、スクリーニングを行っており、順調に実験が進めば、in vitroおよびin vivoでの低分子化合物の同定が可能である。

今後の研究の推進方策

(1)Wipi3の脱リン酸化制御に関しては、脱リン酸化酵素の同定に成功しており、またWipi3との上限関係も構築できた。しかし、GOMED誘導刺激から、脱リン酸化酵素まてでのシグナル伝達機構はまだ不明の部分が多いためて、構築予定である。(2)に関しては、Wipi3リン酸化ミミック、脱リン酸化ミミックマウスを作製し、 Wipi3欠損において見られたような表現型がどう変化するのか、小脳および膵b細胞において解析中である。(3)に関しては、低分子化合物ライブラリーに対し、Wipi3 脱リン酸化、リン酸化を指標に、スクリーニングを行っており、順調に実験が進めば、in vitroおよびin vivoでの低分子化合物の同定が可能である。最終的にその低分子化合物のin vivo, in vitroにおけるGOMED誘導能を評価する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of Insulin Secretion Induces Golgi Morphological Changes2023

    • 著者名/発表者名
      IWAMOTO TATSUYA、SHIMIZU SHIGEOMI、TAJIMA-SAKURAI HAJIME、YAMAGUCHI HIROFUMI、NISHIDA YUYA、ARAKAWA SATOKO、WATADA HIROTAKA
    • 雑誌名

      順天堂醫事雑誌

      巻: 69 号: 1 ページ: 42-49

    • DOI

      10.14789/jmj.JMJ22-0040-OA

    • ISSN
      2187-9737, 2188-2126
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] An Overview of Golgi Membrane-Associated Degradation (GOMED) and Its Detection Methods2023

    • 著者名/発表者名
      Sakurai Hajime Tajima、Arakawa Satoko、Yamaguchi Hirofumi、Torii Satoru、Honda Shinya、Shimizu Shigeomi
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 12 号: 24 ページ: 2817-2817

    • DOI

      10.3390/cells12242817

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 新規オートファジーGOMEDの発見とその生理機能解析2022

    • 著者名/発表者名
      荒川聡子、山口啓史、清水重臣
    • 学会等名
      第78回日本顕微鏡学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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