研究課題/領域番号 |
22K06911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
麻生 悌二郎 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (20291289)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 認知症 / NRBP1 / BRI2 / BRI3 / 創薬 / ユビキチンリガーゼ / タンパク質間相互作用 / NRBP1-ユビキチンリガーゼ / 認知症創薬 / 中分子創薬 / BRI2/BRI3 |
研究開始時の研究の概要 |
最近私どもは、NRBP1を基質認識タンパク質としてもつユビキチンリガーゼ複合体が生理的な抗アルツハイマー病(AD)因子であるBRI2/BRI3を選択的にユビキチン化して分解に導くことを発見しました。NRBP1とBRI2/BRI3間の相互作用の阻害は、両BRI因子がもつ多彩な抗AD作用を一括して活性化すると期待されます。 そこで本研究では、①NRBP1とBRI2/BRI3間の相互作用を特異的に阻害する中分子化合物の探索、②ヒット化合物を基盤にしたリード(新薬候補)化合物の探索と医薬品開発に向けた最適化、③ADモデルマウスを用いた有効性の検証、等の課題に取り組み、新規AD治療薬の開発を目指します。
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研究実績の概要 |
NRBP1-BRI2間の相互作用を阻害する中分子化合物の探索: 前年度に理研DMPの支援のもと、15,000サンプルを含む中分子化合物ライブラリーを対象に二分子発光補完法を用いたスクリーニングを実施し、321個の一次ヒット化合物が、次いで濃度依存性試験、カウンター試験等から成る評価を実施し、19個の二次ヒット化合物が得られていた。 今年度は、これらのうち合成品の入手が可能であった16化合物について高次評価を実施した。方法は、Aβ産生総量の増加を招くスウェーデン変異を導入したAPPを安定発現するヒト神経系培養細胞SH-SY5Yに化合物を添加して、24 h後に細胞と培養上清を回収した。BRI2の細胞内在量の増加は、細胞溶解液中のBRI2タンパク質量を免疫ブロットにより確認した。Aβ産生の抑制は、培養上清中のAβ40、Aβ42の濃度をAβ ELISAキットを用いて測定して確認した。また、Aβ凝集の抑制は、Gn-Aβ42とGc-Aβ42の安定共発現293T細胞に化合物を添加して、24 h後に培養上清を回収、上清中のGluc活性の低下により確認した。 結果は、BRI2の細胞内在量については、全長BRI2並びにFurin切断産物であるmature BRI2の量的増加はほとんど認められなかったが、いくつかの化合物によりADAM10切断産物であるNTF(N-terminal fragment)の量的増加が認められた。また、Aβ産生の抑制についても、Aβ40並びにAβ42の産生を再現性を持って抑制する化合物は存在しなかった。一方、ほとんどの化合物がAβ凝集抑制作用を示し、その作用強度とNTF量増加との間に一定の関連性が認められた。 結論として、今回得られた中分子ヒット化合物には内在性mature BRI2量の増加とAβ産生の抑制を誘導するのに十分な強度の活性を保持した化合物は存在しないと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
二次ヒット化合物の合成品の納品が予定より遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
入手が可能な残りの中分子化合物ライブラリーと低分子化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニング(HTS)を行い、順次ヒット化合物の高次評価を進めていく。
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