研究課題/領域番号 |
22K06914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
後藤 芳邦 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (90455345)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アミノペプチダーゼ / 不安障害 / MHCクラスI抗原提示 / セロトニン / 抗原提示 / MHCクラスI |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、不安障害患者の脳内では、セロトニンが過剰に産生されることが報告されている。最近、申請者は脳内で働くタンパク質分解酵素の一つ「ERAP1」の機能不全が脳内セロトニンの合成を促進することを見出した。ERAP1は免疫の一つであるMHCクラスIによって細胞表面に提示する抗原ペプチドの生成に関わることが分かっている。また、人の遺伝子上にはERAP1の機能を著しく抑制する変異が見出されており、その変異の保有率は3-4割に達する。 そこで本研究では、ERAP1機能不全がMHCクラスI抗原ペプチドの提示を介して脳内セロトニンの合成を調節することで不安障害の発症機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
ERAP1遺伝子欠損マウスは不安行動を頻出させる。本年度は、セロトニン神経株RN46A株を用いてERAP1遺伝子欠損株を新たに作製し、本遺伝子の神経機能に関する影響を解析した。その結果、同遺伝子欠損は、個体レベルで認められたようにセロトニン神経株のセロトニン合成酵素転写抑制因子の発現を低下させることで、セロトニン合成遺伝子の発現量を増加させた。また、同遺伝子欠損は、RN46A株の神経突起の伸長や剪定を阻害するような効果が得られた。ERAP1遺伝子欠損マウスの脳内では、セロトニン合成領域では過剰なセロトニンが産生され、一方でセロトニン神経の投射先ではセロトニンが減少していることを確認している。したがって、脳内では、ERAP1がセロトニン発現と輸送の両方を調節していることになる。一方で、ERAP1は末梢(腸管)のセロトニン合成酵素の発現には影響を及ぼさないことも明らかにした。 近年、ERAP1も関わる抗原提示過程が神経の可塑的変化に影響を及ぼすことが明らかになりつつある。そこで現在、マウス神経芽腫株Neuro2aおよびRN46A株においてMHCクラスIa分子のノックアウト株を作製中で、これらを用いて抗原提示過程とセロトニン合成酵素発現量や神経突起形成への影響を解析していく予定である。 また、セロトニン受容体阻害剤を服用させたマウスに対し、社会性と社会新規性に関する行動解析(3チャンバー試験)を実施し、これらがセロトニン阻害によって改善される結果を得つつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MHCクラスIa分子欠損株の作製に手間取っているが、セロトニン神経株を用いた解析が順調に進んだ。また、ERAP1遺伝子欠損マウスの不安行動(社会性、社会新規性)に対してセロトニンの影響を明らかにしつつある。
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今後の研究の推進方策 |
ERAP1遺伝子欠損した神経細胞株を作製し、それらのセロトニン合成酵素やその転写因子発現量を明らかにする。また、神経突起形成への影響も観察する。さらに、MHCクラスI分子の受容体として機能しうるCD3やPir、KIRLの遺伝子欠損株を作製し、セロトニン代謝に関わるセロトニン神経のMHCクラスI分子受容体を同定する。これらの実験で、抗原提示過程がセロトニンの代謝・輸送に関与する分子機構を明らかにする。
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