研究課題/領域番号 |
22K06924
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 亜紀子 金沢大学, 総合技術部(医), 技術職員 (00345662)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | RAE1 / mRNA修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
RNA修飾はRNAが生体内において様々な機能を獲得するための戦略であり、転写後段階における新しい遺伝子発現制御システム「エピトランスクリプトーム」として、生命現象への関わりが注目されている。私たちは核膜孔を介したmRNA核外搬出の制御分子であるRAE1は、古典的mRNA核外搬出システムとメチル化シトシン(m5C)修飾mRNA核外搬出システムを切り替えるコア因子として機能し、エピトランスクリプトームの加速によりがん細胞の悪性化を誘導する可能性を見出した。本研究では、RAE1が基盤となるm5C修飾mRNA核外搬出システムの分子基盤を解明する。
|
研究実績の概要 |
RNA修飾はRNAが生体内において様々な機能を獲得するための戦略であり、転写後段階における新しい遺伝子発現制御システム「エピトランスクリプトーム」として、生命現象への関わりが注目されている。 これまでの一連の研究により、研究代表者は、核膜孔を介したmRNA核外搬出の制御分子であるRAE1が、古典的mRNA核外搬出システムとメチル化シトシン(m5C)修飾mRNA核外搬出システムとを切り替えるコア分子として機能し、結果としてエピトランスクリプトームが加速されることにより、がん細胞の悪性化を誘導している可能性を見出した。そこで当課題では、転写後段階で調節されるエピトランスクリプトームとがん悪性進展機序の関連性の根本的理解に向けて、研究代表者が同定したRAE1が基盤となるm5C修飾mRNA核外搬出システムの分子基盤を解明することを目的としている。 昨年度は、免疫沈降実験により、mRNAにm5C修飾を施す因子NSUN2(NOP2/Sun RNA methyltransferase)が、悪性度の高い子宮内膜がん細胞でRAE1とより多く結合することを確認した。これにより、RAE1はがんの悪性度が異なると、相互作用パートナーの切り替えを行っている可能性が示唆された。またNSUN2発現をsiRNAによってノックダウンすると、細胞増殖能が優位に低下した。さらに、同じくNSUN2のノックダウン細胞において、m5C化学修飾を受けたmRNAの修飾率が著しく低下することを確認したが、今年度は悪性度の高い子宮体がん細胞においてRAE1をノックダウンした際にもmRNAのm5C化学修飾が低下することを見出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動により、研究を行う環境整備を行っていたため、当研究課題の進捗にやや後れが生じたと判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
m5C mRNA核外搬出システムへ切り替える分子スイッチの解明を引き続き行う。悪性度の低い子宮内膜がん細胞株では、RAE1は古典的mRNA核外搬出因子と複合体を形成するが、悪性度の高い細胞株において、RAE1は5mC修飾因子であるNSUN2と複合体を形成する。そのスイッチ機序を理解するため、RAE1-NSUN2複合体形成に関わるRAE1翻訳後修飾について明らかにする。
|