研究課題/領域番号 |
22K06944
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
青山 智志 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50737781)
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研究分担者 |
高澤 啓 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00593021)
山本 聡 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10588479)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 深在性真菌症 / FFPE組織 / 超微細構造 / 真菌叢 / 走査型電子顕微鏡 / メタゲノム解析 / プロテオーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
深在性真菌症は致死的な経過をたどるが、微生物検査での真菌の検出率は50%以下と低い。また、病理組織診断での真菌の同定は形態診断にとどまっており、患者の適切な治療導入に対応できていない。本研究は、深在性真菌症のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を用いて、①走査型電子顕微鏡(SEM)による真菌の超微細構造の観察・同定、②抽出DNAを用いたシークエンス法による同定および、③次世代シーケンサーを用いた真菌叢解析(メタゲノム解析)、④真菌由来抽出タンパク質を用いたプロテオーム解析を行う。
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研究実績の概要 |
深在性真菌症は致死的な経過をたどるが、微生物検査での真菌の検出率は50%以下と低い。また、病理組織診断での真菌の同定は形態診断にとどまっており、患者の適切な治療導入に対応できていない。そこで、深在性真菌症の同定・解析手法の確立を通して、病態理解を深め、治療成績を向上させたいと考え、本課題を想起した。本研究は、深在性真菌症を、非培養的、多層的、網羅的に解析し、その病態を明らかにすることで、適切な治療法選択、新たな治療戦略創出に寄与することを目的とした。 これまでに、深在性真菌症の解剖症例を用いて、FFPE組織からSEM観察標本の条件検討を実施した。FFPE組織から、様々な厚さの薄切標本を作成し、様々な標本作成条件を試み、SEM観察標本を作成した。SEM S-4300 (HITACHI), TM4000Plus (HITACHI)を用いて、観察を行い、アスペルギルス、カンジダの菌体観察に成功した。立体構造観察には、厚さ15-30umが適していた。また、アスペルギルスニガー感染症例で、シュウ酸カルシウム結晶を多数沈着している領域で、SEM-EDSを用いた、二次元元素マッピングを行ったところ、カルシウムの分布が、結晶沈着と一致して観察され、SEM-EDSの有用性が確認された。検討を更に進め、ムーコル症でのSEM観察、抽出DNAを用いたシークエンス解析による菌体の同定に成功した。また、深在性真菌症の検討の過程で、微細構造解析にて、アスペルギルス属とカンジダ属が併存する症例を明らかにした。この症例について、抽出したDNAを用いた真菌叢解析を行っており、現在、データの解析方法を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FFPE組織から、様々な厚さの薄切標本を作成し、SEM観察に適した標本の作製に成功した。これまでに、SEM S-4300 (HITACHI), TM4000Plus (HITACHI)を用いて、観察を行い、アスペルギルス、カンジダに加えてムーコル症(Rhizopus oryzae)の菌体観察を実施している。菌体の立体構造観察には、厚さ15-30µmが適していた。また、アスペルギルスニガー感染症例で、シュウ酸カルシウム結晶を多数沈着している領域で、SEM-EDSを用いた、二次元元素マッピングを行ったところ、カルシウムの分布が、結晶沈着と一致して観察され、SEM-EDSの有用性が確認された。ムーコル症については、抽出したDNAを用いた解析で、Rhizopus oryzaeの同定に成功した。ペルギルス属とカンジダ属が併存する症例を明らかにしており、現在、抽出したDNAを用いた真菌叢解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
菌体を含むFFPE組織から用手にてDNA抽出を行い、PCR法にて増幅した領域について、シークエンスを確認し、菌体の同定を行っている。菌体量が十分に含まれているFFPE組織については、比較的安定した同定結果が得られている。アスペルギルス属、カンジダ属が混合感染している症例が確認されたことから、本症例を用いて真菌叢解析の検討を開始している。叢解析として、Qiime2を用いたOTU (Operational taxonomic unit)を行う。
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