研究課題/領域番号 |
22K06950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
竹内 真衣 久留米大学, 医学部, 講師 (10759666)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ホジキンリンパ腫 / 免疫微小環境 / デジタル空間プロファイリング / ホジキン様成人ヒトT細胞白血病・リンパ腫 / 悪性リンパ腫 / デジタル空間解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ホジキンリンパ腫は血液がんであるリンパ腫の一つであり、ごく少数のがん細胞が多数の正常リンパ球に取り囲まれるように存在する特殊な病気である。がん細胞は宿主のリンパ球から異物として攻撃されるため、攻撃を逃れる性質を獲得する。ホジキンリンパ腫は周囲のリンパ球の攻撃から逃れるため様々な性質を獲得しており、免疫チェックポイント阻害薬のPD-1阻害薬が再発例によく効くことが知られている。本研究ではホジキンリンパ腫のリンパ節を対象に、デジタル空間プロファイリングという新しい技術を用いてホジキンリンパ腫が免疫から逃れる機構の解明を行い、新しい治療の開発に貢献することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究ではGeoMx digital spatial profiler (NanoString Technologies, Seattle, USA)によるデジタル空間プロファイリングを用いて組織切片上の位置情報と紐づけられた遺伝子発現解析を行い、ホジキンリンパ腫とその類似疾患であるホジキン様成人ヒトT細胞白血病・リンパ腫(以下、ホジキン様ATLL)の免疫微小環境を検討した。ホジキンリンパ腫は腫瘍細胞であるHodgkin-Reed-Sternberg細胞(以下HRS細胞)周囲を非腫瘍性のCD4陽性T細胞が取り囲みT細胞ロゼットを形成する。本研究でホジキンリンパ腫のT細胞ロゼットと腫瘍から離れたCD4陽性T細胞をデジタル空間プロファイリングで比較した結果、T細胞ロゼットではHRS細胞から離れたCD4陽性T細胞と比較して免疫チェックポイント分子のOX-40の発現上昇が有意に上昇していた。また、PD-1とCTLA-4についても発現上昇傾向が認められた。免疫染色でこれらの免疫チェックポイント分子はT細胞ロゼットに発現がみられ、これらの免疫チェックポイント分子がT細胞ロゼットとHRS細胞の相互作用に重要である可能性が示された。また、ホジキン様ATLLにおけるHRS様細胞周囲のCD4陽性T細胞についても同様に解析した結果、HRS様細胞周囲のCD4陽性細胞では共刺激分子のCD28とICOSが高発現してることを発見した。また、免疫染色でHRS様細胞にCD28のリガンドであるCD80とCD86が発現している事を示し、HRS様細胞とCD28を発現するCD4陽性T細胞のinteractionがホジキン様ATLLの免疫微小環境に重要である可能性を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であるホジキンリンパ腫の免疫微小環境の解析を終え、類似疾患であるホジキン様成人ヒトT細胞白血病・リンパ腫についても解析を終了し論文報告、学会報告を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
組織学的亜型などに基づいた比較検討などの追加解析を行う予定である。
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