研究課題/領域番号 |
22K06959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
仙谷 和弘 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (30508164)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MCM4 / 癌幹細胞 / 細胞診 / 分子分類 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、包括的ゲノム解析に基づく分子分類が提唱され、個別化医療の発展に大きく寄与している。一方で、生物種を超えて相同配列 を示すT-UCRの中に抗癌剤耐性に関わるものが存在することが明らかとなり、抗癌剤抵抗性を制御する重要な分子であることが想定されるが、 現在のところ癌における解析は十分ではない。本研究では、消化管癌や泌尿器癌の各々のmolecular subtype別のT-UCRの特徴を明らかにし、癌幹細胞マー カーを含めた制御機構や、腫瘍内局在や組織型別・臓器別相違を明らかにすることで、治療抵抗性を示す消化管癌の進展転移の解明や治療や予 後予測、鑑別診断マーカーなどの臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、胃癌の癌幹細胞マーカー探索のためにspheroid formation assayを行い、候補分子として同定したminichromosome maintenance 4 (MCM4)の臨床病理学的解析を行った。qRT-PCR法においてMCM4は胃癌の60%、免疫組織化学的には83%に高発現し、T因子やステージの高い症例に有意な相関が見られ、独立した予後不良因子であることもわかった。さらにその発現は既存の癌幹細胞マーカーであるCD133に加えて受容体型チロシンキナーゼのEGFR、c-MET、MMP7とも有意な相関関係にあることを明らかにした。またsiRNAを用いた解析によりその発現がAKT、ERK、EGFRのリン酸化を通じて腫瘍の増殖能を制御することを示し、MCM4が胃癌の進展や癌幹細胞を制御する重要な癌関連分子であることがわかった。 次に、上部尿路(腎盂・尿管)癌におけるMCM4の臨床病理学的解析を行ったところ、MCM4の高発現は124例中77例(62%)に認められた。70歳以上の高齢者や尿管原発に多く見られ、T因子の高い症例や組織学的異型度の強い症例と有意な相関関係が認められ、無増悪生存期間においてMCM4の発現は独立した予後不良因子であった。これらの結果はTCGAのデータセットから得られる結果と同様であった。さらにMCM4の高発現はHER2、EGFR、p53、Ki-67の高発現と有意な相関が見られた。さらに、尿細胞診検体を用いた解析を行い、尿路上皮癌の検出の診断精度は尿細胞診単独で行うよりもMCM4の免疫染色を併用する方が有用であることも明らかにし、実臨床への応用も期待される分子であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに本研究の解析に必要な消化管癌及び泌尿器癌の組織サンプルは十分収集できており、実際にT-UCRs発現解析データに基づく候補の検証を行なっている。本年度に解析したMCM4以外の分子の検討も行なっており、T-UCRsの解析を実際のヒト消化管癌及び泌尿器癌のサンプルを用いてその意義について検証する作業は、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
消化管癌及び泌尿器癌におけるT-UCRの発現と分子機構を解明するため、引き続き本年度と同様の解析を行うとともに、多数の臨床検体を用いた臨床病理学的検討、さらには関連分子の検討などを行い、治療標的分子、血清腫瘍マーカー、鑑別診断マーカー等の開発につなげる予定である。
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