研究課題/領域番号 |
22K06964
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
小島 史好 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70770585)
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研究分担者 |
松崎 生笛 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60647428)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | kidney / acquired cystic disease / cancer / KMT2C / TSC2 / renal cell carcinoma / molecular / 後天性嚢胞腎 / 分子病理学的解析 / 後天性嚢胞腎症随伴腎細胞癌 / 前駆病変 / 異型嚢胞 / 腎細胞癌 / 後天性嚢胞腎随伴腎細胞癌様嚢胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、透析により多数の嚢胞が形成された腎臓(ACDK)に発生する、後天性嚢胞腎随伴腎細胞癌(ACD-RCC)やその背景の腎臓に見られる様々な変化に対し、近年ACD-RCCで報告されたKMT2CおよびTSC2遺伝子変異の有無を調べることにより、ACD-RCCの前駆病変やACDKに発生する腎細胞癌の発生過程を明らかにするものです。ACDKに発生する腎細胞癌の発生メカニズムを明らかにすることにより、ACDKやACD-RCCに対する新たな治療戦略が生まれる可能性があります。
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研究実績の概要 |
Acquired cystic disease-associated renal cell carcinoma (ACD-RCC)における、KMT2CとTSC2変異の特徴と腫瘍発生における両遺伝子の意義を明らかにするために、その前駆病変と考えられているACD-RCC-like cystを解析対象に加え、両遺伝子のDNAシークエンシングを施行した。昨年度実施したDNAシークエンシングの結果を解析し、ACD-RCCには他の組織型の腎癌より、KMT2CとTSC2変異の頻度が高いことが分かった。さらに、ACD-RCCにおいて、KMT2CとTSC2の機能が消失していることを確認するために、KMT2C, H3K4me3, TSC2, GPNMBの免疫染色を施行したが、KMT2CとTSC2変異の有無と各抗体の染色結果との間に相関は明らかではなく、本研究で検出した遺伝子変異がpathogenicであることを支持する結果は得られなかった。また、ACD-RCC-like cystや背景の腎臓に、KMT2C, TSC2変異はほとんど検出されなかった。本研究により、KMT2CとTSC2変異はACD-RCCに頻度が高いことが分かったが、ACD-RCC-like cystに両遺伝子変異は検出されず、少なくともその腫瘍発生の初期段階に関与していることを支持する結果は得られなかった。ACD-RCCの進展に関与している可能性は完全には否定できないが、検出された変異はいずれもpathogenicとは考えにくく、積極的に腫瘍の進展に関与しているとはいえない。以上の論旨を2024年3月にBaltimoreにて開催された国際学会 (The United States and Canadian Academy of Pathology)にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の成果をまとめ、上記の通り国際学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得られた成果を論文化する。
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