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硫酸化糖鎖に着目した胆管細胞におけるムチンコアタンパク質の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06977
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49020:人体病理学関連
研究機関福井大学

研究代表者

星野 瞳  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90500710)

研究分担者 小林 基弘  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (00362137)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード硫酸化糖鎖 / MUC6 / ムチン / 遺伝子発現ベクター / ウェスタンブロット / 免疫沈降 / 肝臓 / 糖タンパク質 / 肝内胆管 / 細胆管反応
研究開始時の研究の概要

申請者らは最近,肝内胆管末梢部,細胆管癌,細胆管反応のいずれにおいても硫酸化シアリルルイスX(sLeX)糖鎖が腺管内腔面に発現していることを明らかにした。そこで硫酸化sLeX糖鎖で修飾されたムチンコアタンパク質(糖タンパク質)を発現するモデル胆管細胞を作製し,胆管細胞におけるこの糖タンパク質の機能を明らかにすることで,細胆管癌および細胆管反応の発生機序を解明する。

研究実績の概要

本研究はMUC6タンパク質を修飾する糖鎖構造の特定と機能解析を行うことを目的としている。硫酸化糖鎖の生合成に必要な各種糖転移酵素を安定発現させたCHO細胞にMUC6遺伝子発現ベクターを遺伝子導入し、細胞におけるMUC6の発現を細胞蛍光染色およびウェスタンブロットで解析した。その結果、MUC6の発現は非常に弱く、不安定であり、解析に十分な発現量を得ることができなかった。解決方法として、別の種類の細胞を用いることにして、MUC6および硫酸化糖鎖をいずれも発現しない細胞のスクリーニングを行い、細胞Xを見出した。細胞Xに各種糖転移酵素を遺伝子導入することで、Core 1伸長型酵素であるBeta3GlcNAcT-3および硫酸転移酵素であるLSSTが硫酸化糖鎖の生合成に必要であることを明らかにした。そこで細胞XにMUC6、Beta3GlcNAcT-3、LSSTを遺伝子導入して、硫酸化糖鎖の発現パターンを解析した。その結果、MUC6陰性コントロール群と比較して、硫酸化糖鎖の発現パターンに大きな変化はみられなかった。次の戦略として、天然状態で硫酸化糖鎖を発現する細胞を用いることにし、細胞のスクリーニングを行い、細胞Yを見出した。細胞Yは硫酸化糖鎖をヘテロに発現していたため、セルソーターを用いてソーティングを繰り返し行い、硫酸化糖鎖陽性の細胞を分離した。硫酸化糖鎖陽性の細胞YにMUC6を遺伝子導入し、細胞におけるMUC6の発現を細胞蛍光染色およびウェスタンブロットで解析した。その結果、細胞蛍光染色では界面活性剤で処理した細胞においてMUC6陽性のシグナルを得たが、ウェスタンブロットではMUC6に該当するバンドを得ることができなかった。以上のことから、MUC6遺伝子発現ベクターの改良が必要であるとの判断に至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

MUC6遺伝子発現ベクターを入手することができたため、サブクローニングに費やす時間を縮小できた。しかし、細胞におけるMUC6の発現がうまくいかず、トラブルシューティングに時間を費やしたことで、当初の計画から遅れて進行している。

今後の研究の推進方策

細胞においてMUC6を発現させるためにMUC6遺伝子発現ベクターを用いる予定であったが、MUC6を十分に発現させるための実験条件を見つけることができなかったことから、遺伝子発現ベクターを用いてMUC6を発現させるのではなく、自然状態でMUC6を発現する細胞を入手することで、解析を進める。既に論文やデータベースの検索によって、MUC6の発現が報告されている細胞を数種類ピックアップしている。これらの細胞の中から入手可能なものを手に入れ、免疫染色により硫酸化糖鎖の発現パターンを解析する。硫酸化糖鎖を発現している場合は、MUC6または糖転移酵素の遺伝子発現をノックアウトさせることにより、増殖能や浸潤能といった細胞動態の変化を定量解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] 台湾中央研究院(その他の国・地域)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Expression of low-sulfated keratan sulfate in non-mucinous ovarian carcinoma2024

    • 著者名/発表者名
      Hoshino H, Chen YY, Inoue D, Yoshida Y, Khoo KH, Akama TO, Kobayashi M
    • 雑誌名

      Glycobiology

      巻: 34 号: 1

    • DOI

      10.1093/glycob/cwad056

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Paradoxical expression of R-10G-reactive antigen in human testicular embryonal carcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Muramoto A, Inamura S, Hoshino H, Terada N, Kobayashi M
    • 雑誌名

      J Histochem Cytochem

      巻: 71 号: 10 ページ: 555-563

    • DOI

      10.1369/00221554231199134

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distinct sulfated glycans expressed in intrahepatic cholangiocarcinoma: a potential target for new therapy2023

    • 著者名/発表者名
      Hoshino H, Kobayashi M
    • 雑誌名

      Immunotherapy

      巻: 15 号: 7 ページ: 503-516

    • DOI

      10.2217/imt-2022-0220

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression and Clinical Significance of Spi-B in B-cell Acute Lymphoblastic Leukemia2022

    • 著者名/発表者名
      Yuzuru Ariga, Shulin Low, Hitomi Hoshino, Tsutomu Nakada, Tomoya O Akama, Akifumi Muramoto, Mana Fukushima, Takahiro Yamauchi, Yusei Ohshima, Motohiro Kobayashi
    • 雑誌名

      J Histochem Cytochem

      巻: 70 号: 10 ページ: 683-694

    • DOI

      10.1369/00221554221130383

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sulfated Glycans Recognized by S1 Monoclonal Antibody can Serve as a Diagnostic Marker for Malignant Pleural Mesothelioma2022

    • 著者名/発表者名
      Koki Nakashima, Yasuhiro Sakai, Hitomi Hoshino, Yukihiro Umeda, Hiroto Kawashima, Yoshitaka Sekido, Tamotsu Ishizuka, Motohiro Kobayashi
    • 雑誌名

      Lung

      巻: 200 号: 3 ページ: 531-534

    • DOI

      10.1007/s00408-022-00531-4

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Establishment of a clear cell ovarian carcinoma cell line expressing low-sulfated keratan sulfate2024

    • 著者名/発表者名
      Hoshino H, Inoue D, Yoshida H, Shigeto S, Kazuyuki M, Akama O T, Yoshida Y, Kobayashi M
    • 学会等名
      第113回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Distinct sulfated glycans expressed in intrahepatic cholangiocarcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Hoshino H, Fukushim M, Muramoto A, Kobayashi M
    • 学会等名
      第112回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Expression of low-sulfated keratan sulfate in non-mucinous ovarian carcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Hoshino H, Chen Ya-Y, Inoue D, Yoshida Y, Khoo Kay-H, Kobayashi M
    • 学会等名
      26th International symposium on Glycoconjugates
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Establishment of human ovarian cancer-derived cell lines2022

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Hoshino, Daisuke Inoue, Tomoya O Akama, Motohiro Kobayashi
    • 学会等名
      第68回日本病理学会秋期特別総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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