研究課題/領域番号 |
22K06985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人栃木県立がんセンター(研究所) (2023) 慶應義塾大学 (2022) |
研究代表者 |
尾島 英知 地方独立行政法人栃木県立がんセンター(研究所), 研究所-分子病理研究分野, 副研究所長 (80342905)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肝内胆管がん / 血管新生 / 病理学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、肝内胆管癌の罹患率と死亡率は全世界的に上昇傾向にある。根治的治療は外科的切除のみであるが、決定的な危険因子が不明なことから、発見時には既に多くの症例が手術不能の進行がんであり、悪性度の非常に高い腫瘍である。一方で、同じ肝内胆管癌でも、血流の豊富な肝内胆管癌は比較的予後良好であることが知られている。そこで本研究では、難治性がんで不明な点が多い腫瘤形成型肝内胆管癌において血管新生因子を中心とした機能分子に着目して、これらが発がん・進展にどのように関わるか、その分子機構の解明を行い、臨床病理学的診断基準や治療への応用・適用の検証を行う事を目的とする。
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研究実績の概要 |
肝内胆管癌(Cholangiocellular carcinoma :CCC)は悪性度が非常に高く、発見時にはすでに進行がんであるため、その発がん機構の解明や治療成績向上のためのヒントを得ることは容易でない。しかし、通常の腫瘤形成型CCC(Mass forming type CCC :MCCC)の画像所見では乏血性を示すが、一部に富血流性を示すMCCC(多血性MCCC)が存在し、比較的予後が良いことが報告されている。そこで、MCCCにおける血管新生因子を中心とした機能分子の発現の意義を、術前CT画像所見との関連性をも含めて広く臨床病理学的に検討し、これらを突破口にして、発がん・進展の分子機構の解明、臨床病理学的診断基準や治療への応用・適用の検証を行う事を目的とする。 2023年度は、前年度までに行った2人の放射線専門医による腹部造影CT動脈優位相での多血性と乏血性のMCCCの定義設定と、この定義に基づく国立がん研究センター中央病院で切除された57例のMCCCの画像評価結果を基礎データとして分子病理学的な解析を行った。これらの症例のうち、トランスクリプトーム解析が可能な37例を用いて両群間に差のある候補遺伝子の同定を試み、造影効果と関連が疑われる遺伝子群として血管新生に関与するGene setを検討した結果、血管新生関連分子Xが最も相関が強かった。Xの遺伝子発現、Xの免疫染色の陽性率は早期濃染する面積との相関が認められた。同時に1990年から2013年までに切除されたMCCC症例の代表標本を用いた検討準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トランスクリプトーム解析結果が2023年度中に終了し、候補分子の選定を行うことができた。さらに、候補分子の発現と画像評価結果との相関が、ほぼ予想した結果となり、同候補分子の免疫染色結果を多数のMCCC症例を用いて施行・染色評価も順調に進めており、本年度中には論文化の目処が立っている。
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今後の研究の推進方策 |
多血性と乏血性のMCCCを2群に群分けし、2群間に有意な差異を示す遺伝子発現や変異がないかを分子病理学的データベースと凍結切片の組織像との比較も行い解析した。当初は、2群間の差を規定する分子に関してはGene Set Enrichment Analysisを用いて解析・抽出するなどを想定していたが、統計学的手法を工夫することで鋭敏な候補分子Xが選び出された。2024年度は、免疫染色条件設定や、2023年度までに進めてきた腫瘍内の微小環境を規定する因子などと照合して総合的に検討する予定である。さらに、当初は造影効果の定義を2種類(造影効果あり、なし)として、造影効果を有する画像上の面積を測定して、そのカットオフ値で区切ることで検討を重ねていたが、さらに細かく分類することで、詳細な検討ができそうであることがわかり、今年度は、造影効果領域の割合別に検討して、候補分子Xとの相関を免疫染色で確認する予定である。すでに行っている多数症例での免疫染色に候補分子を加えて施行し、術前画像所見をはじめとする臨床所見との整合性を総合的に検証する予定である。
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