研究課題/領域番号 |
22K06999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
宮崎 龍彦 岐阜大学, 医学部附属病院, 教授 (80239384)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 実験病理学 / 膠原病モデルマウス / リコンビナント・インブレッド系 / ゲノム解析 / 治療反応性 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは,自己免疫疾患モデル組換え近交系マウスMXH/lpr系を開発してきた。これらの系統はMRL/lprに発現する膠原病臓器疾患を種々の組み合わせで発症するのみでなく,ときに親系統よりも強い表現型や新たなphenotypeを示す。この系は,ポリジーン系を単純化した疾患モデルとして極めて有用である。そこで,申請者らは治療反応性を規定する背景遺伝子のゲノ病理学的に解析することを企図し,MXH/lpr系に,蛋白エピトープ阻害蛋白アナログ,自己抗原デコイ蛋白,もしくはBIRC5の阻害剤YM-155を投与して治療反応性を解析し,責任遺伝子およびその多型部位を明らかにすることを目的に研究を行う。
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研究実績の概要 |
新規分子標的治療における「治療反応性を規定する遺伝因子」を膠原病モデル組換え近交系マウス(膠原病疾患ポリジーン系モデルMXH/lpr系)を用いて確定することを目的として、本研究を遂行している。確立した組換え近交系を用いるため、個体ごとに異なる反応の多様性を再現性をもって解析することが出来る系である。今年度は以下の研究を行った。 ①Opn-インテグリン結合阻害タンパクによる治療プロトコールの最適化、②上記①およびシクロスポリン、ステロイドに加え、細胞性免疫抑制効果のあるFK506による治療反応性の詳細な解析。腎炎好発系であるMXH86, 100等のストレインに、Opn-インテグリン結合阻害蛋白、シクロスポリン、プレドニゾロン、若しくはFK506を、陰性コントロールとして生理食塩水を投与し、約2ヶ月間投与後にsacrificeして腎臓の組織学的スコアリング、血清マーカー(BUN, クレアチニン、CRP)の解析を行い治療効果について検証しながら投与プロトコールの最適化を進めた。また、投与中から尿蛋白の半定量解析を定期的に行った。③治療反応性の差異を規定する遺伝子座のマッピングに関して研究を進行した。また、全ゲノムシークエンスによる染色体地図の作成を進行した。遺伝子多型マップの作成にはかなりの時間を要することが判明したが、可及的速やかに作業を進行している。今年度は全ゲノムシークエンスの準備作業を進行させた。次年度に大規模に全ゲノムシークエンスを遂行する。また、使用する薬剤によって、治療反応性が異なり、治療反応性を規定する遺伝子が異なることが示唆されている。今後さらにゲノム全長のシークエンス解析を進め、遺伝子多型マップの完成を目指す。さらに、YM-155を用いた投与系の解析も開始し、それぞれの薬剤による治療感受性を規定する遺伝子多型の同定を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全ゲノムシークエンスによる染色体地図の作成に予想以上に時間がかかっている。また、動物実験の一度に可能な匹数に限りがあり、やや遅れている。しかし、部分的には良い結果も得られており、成果の発表には問題ないものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
まずはOpn-インテグリン結合阻害タンパクとシクロスポリンおよびステロイド投与系のプロトコール最適化を先行して完成させ、さらに投与群各臓器病変の組織学的スコアリング、各系統の陰性コントロール群の組織学的スコアから投与群の組織学的スコアを比較することにより治療スコアを求めるとともに血清学的マーカーについても解析を進める。また、遺伝子多型マップの完成を待って、各遺伝子多型とフェノタイプの対比による詳細なリンケージ解析を行い、責任遺伝子多型の同定を目指す。
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