研究課題/領域番号 |
22K07027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
稲垣 匡子 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (70363588)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レプチン / 胃がん / 胃内細菌 / 肥満 / 胃レプチン / 高脂肪食 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌は、本邦で癌部位別死亡率が上位の悪性腫瘍である。レプチンシグナルの制御破綻は、胃癌や腸上皮化生の発生に繋がる。申請者は、レプチンシグナルが胃癌の発生・抑制の制御に関与することを確証するマウスモデルを構築した。本研究では、レプチンシグナルから直接制御を受ける分子及び細胞機能解析を基点として、個体レベルでの新規な胃癌の発生・抑制機序の解明、及び肥満による胃癌発生初期のバイオマーカーの解明に関する研究を推進し、胃癌早期診断、予防マーカーへの活用や、創薬開発に繋がる基盤を形成する。
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研究実績の概要 |
胃癌は、本邦で毎年約5万人が死亡する疾患である。その最大要因は、ヘリコバクタ -・ピロリ菌の持続感染と考えられているが、ピロリ菌感染者のわずか数%しか胃癌発症に 至っていない。また、除菌治療の普及により劇的に感染率は低下したが、 除菌後の再発やピロリ菌陰性胃癌患者の増加が深刻な課題となっている。さらに、肥満が胃がんの新たな原因として注目されている。 そこで、令和4年度は、胃がん促進(T3b- SOCS3-/-)及び抑制(T3b-(SOCS3-/-LepR-/-))マウスの胃粘膜組織を用い、遺伝子発現網羅的解析と評価を行うために、RNA-seqとメチル化解析を行った。発がん初期とがん進展期で、共通あるいは相違の遺伝子群を見出し、それらの発現を定量的PCR法で確認した。 さらに、コントロールマウスと比較し、T3b- SOCS3-/-マウスでは、胃内細菌叢はLactobacullus 属が優勢になり、T3b-(SOCS3-/-LepR-/-)マウスでは野生型マウスレベルに減少した。 これらの結果は、次年度の解析に重要な「胃癌促進・抑制に おける免疫応答」の基盤情報となりうることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記2種類のモデルマウスを用い、レプチンシグナル による「胃粘膜上皮細胞及び胃内細菌叢の変調」を解析することが目的であった。それらは概ね達成された。
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今後の研究の推進方策 |
我々はこれまでに、野生型マウスに高脂肪食摂取により胃の前がん病態である腸上皮化生を発生すること、それが胃レプチンシグナルに依存することを発表してきた。そこで令和5年度では、高脂肪食がLepR依存的発癌に与える影響を明らかにするため、離乳直後の野生型、T3b- SOCS3-/-、T3b-(SOCS3-/-LepR-/-)マウスに高脂肪食を摂取させ、令和4年度と同様の解析を行う。
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