研究課題/領域番号 |
22K07033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
石原 慶一 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (80340446)
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研究分担者 |
高田 和幸 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10434664)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ダウン症候群 / ミクログリア / 炎症関連遺伝子 / 脳発達 / 記憶学習障害 / 炎症性細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症では胎生期の脳発達遅滞が認められ、生後の知的障害の基盤である可能性が考えられているが、直接的な証拠は提示されていない。そこで、本研究では、ダウン症での脳発達遅滞の原因遺伝子であるErg遺伝子のみを正常にすることで胎生期脳発達遅滞が改善したダウン症モデルマウスの生後の異常を検証することで、胎生期脳発達遅滞と知的障害の関連性を明らかにする。また、ダウン症モデルマウスの胎生期脳でのミクログリア異常を見出していることから、ミクログリア補充による脳発達遅滞改善を試み、ダウン症の胎内治療の基盤構築を目指す。
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研究実績の概要 |
ダウン症候群 (DS) は、胎生期脳の発達障害を伴う知的障害を呈するが、現在のところ有効な治療法はない。本研究課題では、これまでの申請者らの研究成果に基づき考えるに至った“DS知的障害における中枢性免疫細胞の機能不全仮説”の検証を行う。 申請者らは、DSモデルマウスのErg遺伝子発現増加による炎症関連遺伝子の発現亢進、脳発達遅滞および中枢性免疫細胞の機能不全を突きとめていることから、今年度はErg遺伝子のみ正常コピー数にしたDSモデルマウスの記憶学習能評価を行い脳発達遅滞の認知機能低下への寄与を明らかにする。Ergの機能欠損アリルをヘテロでもつErg+/-マウスとDSモデルマウスを交配し、Ergのみが正常コピー数となったDS-Erg+/+/-マウスを作製し,記憶学習障害および海馬での成体期神経新生について検証したところ、DS-Erg+/+/-マウスでもDSマウスと同様の記憶学習障害および成体神経新生の低下が認められたことから、胎仔期での脳発達遅滞と成体期で認められる記憶学習障害の関連性を検出することはできなかった。さらに、他の異常表現型の改善が認められるか検証している。 また、DSモデルマウスより樹立したES細胞のミクログリアへの分化能をin vitro分化誘導実験にて検証している。現在、DSモデルマウス由来ES細胞のミクログリア前駆細胞への分化が低下していることを突き止めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Erg遺伝子のみを正常コピー数としたDSモデルマウスの成体における記憶学習障害の評価が一通り完了し、 DSモデルマウスより樹立したES細胞のミクログリア前駆細胞への分化低下を突き止めたので。
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今後の研究の推進方策 |
Erg遺伝子の3コピー化によるミクログリア異常や神経新生低下のメカニズムについて、DSモデルマウスES細胞を用いた研究により明らかにしていく。また、ミクログリア前駆細胞の移植による脳発達遅滞改善研究に着手していく。移植実験により脳発達遅滞の改善が認められれば、さらに行動試験による検討も行なっていく予定である。
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