研究課題/領域番号 |
22K07045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐倉 孝哉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60816726)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マラリア原虫 / ガメトサイト / 解糖系 / 細胞内相分離 / エネルギー代謝 / 液-液相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
マラリア原虫の赤血球感染ステージ(赤内期)から蚊へ伝播するステージ(ガメトサイト期)への分化の際に、エネルギー代謝を担う解糖系や呼吸鎖複合体の構成因子が変化することが報告された。しかし実際の代謝機能に対する影響はほとんど分かっていない。申請者は細胞内の代謝との関連が注目されている液-液相分離によって、マラリア原虫のエネルギー代謝変化が制御されていることを示唆するin silico解析結果を得た。本研究では解糖系酵素の細胞生物学的解析と代謝フラックス解析による代謝機能の定量評価を並行して行い、細胞内相分離の観点からステージ分化に伴うエネルギー代謝変化の制御機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
マラリア原虫のエネルギー代謝はヒト体内では解糖系がATP合成の中心を担い、蚊のステージではミトコンドリアにおける電子伝達系に強く依存する。近年、赤血球感染ステージ(赤内期)と蚊へ伝播するステージ(ガメトサイト期)では、解糖系や呼吸鎖複合体の構成因子が異なることがプロテオーム解析により明らかとなったが、代謝機能に対する影響の詳細は分かっていない。本研究では細胞内相分離の観点から解糖系酵素の細胞生物学的解析と、代謝フラックス解析による代謝機能の定量評価を並行して行い、ステージ分化に伴うエネルギー代謝変化の制御機構を明らかにする。 令和4年度は赤内期に焦点を絞り、解糖系酵素に蛍光タンパク質をラベルした遺伝子組換え原虫による細胞内での解糖系酵素の動態解析を計画した。まず酵母で報告されている解糖系酵素集合体、Glycolytic body(G-body)を観察するために、様々な培養条件や阻害剤等による条件検討を行った。その結果、低グルコース条件下において原虫内でG-bodyが形成されることが明らかとなった。一般的なマラリア原虫の培養条件ではグルコース濃度が10 mM程度と生理的な条件とは異なる。今回明らかになった低グルコース培養は生理的条件により近く、ヒト体内でのマラリア原虫の解糖系の代謝動態をより正確に反映していると考えられる。 次に低グルコース条件で培養した原虫のトランスクリプトーム解析を実施し、G-body形成に関わる遺伝子探索を行った。これにより細胞内相分離に重要な天然変性領域を持つ複数の候補遺伝子群の特定に成功した。さらにG-body形成の解糖系への影響を調べるために、メタボローム解析も実施した。その結果、低グルコース条件下においても解糖系の代謝物量に有意な差は見られず、G-body形成により解糖系全体の活性が維持されていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
赤内期におけるG-body形成の条件検討を早い段階で終えることができ、低グルコース条件で培養した原虫のトランスクリプトーム解析により、G-body形成への関与が予想される候補遺伝子のリストアップができたため。また10種類全ての解糖系酵素に蛍光タンパク質をラベルするプラスミド作製を終え、組換え原虫作製を開始できているため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度はガメトサイトステージの解析に用いるNF54株の遺伝子組換え原虫作製に注力する。赤内期と同様にこれらの原虫のライブイメージングを行い、ガメトサイトの各成熟段階での解糖系酵素の集合状態を定量する。また並行してフラックスアナライザーによる解糖系の代謝フラックス解析も実施し、ガメトサイト分化に伴う解糖系酵素の集合状態の変化と代謝の関連を調べる。
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