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敗血症治療への応用を目指した好中球細胞外小胞による敗血症病態改善メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K07056
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49050:細菌学関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

熊谷 由美  順天堂大学, 医学部, 助教 (90277591)

研究分担者 長岡 功  順天堂大学, 保健医療学部, 特任教授 (60164399)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード敗血症 / 好中球 / 細胞外小胞 / LL-37 / レポーターマウス
研究開始時の研究の概要

敗血症は、細菌感染を主因として起こるが、いまだに有効な治療法が確立されておらず、致死率の高い疾患である。一方で、我々の研究により、生体防御ペプチドLL-37で刺激した好中球が分泌するEVが、敗血症モデルマウスの生存率を向上させ、病態を改善すること、また特に肺において抗炎症作用・細胞死抑制作用を示すことが明らかとなった。そこで本研究では、この好中球EVの作用機序を解明するために、1) 組織透明化および一細胞解像度のイメージング技術を用いて、EVの肺における標的細胞を三次元かつ一細胞レベルで同定し、2) 抗炎症・細胞死抑制作用に関係するEVに含まれる因子の同定をすることを目的とする。

研究実績の概要

研究代表者らはこれまでに、マウスの骨髄から単離した好中球を生体防御ペプチドLL-37で刺激したときに放出される細胞外小胞 (Extracellular vesicles, EV) LL-37-PMN-EVが、敗血症モデルマウスの致死率を減少させること、また、特に肺において炎症の程度を軽減させることを明らかにしてきた。そして特に本年度は、LL-37-PMN-EVの敗血症マウスにおける生理的な標的細胞を検出するためのレポーターマウスを構築した。このマウスは、loxP-tdTomato-loxP-EGFP配列が染色体に挿入されており、細胞は赤色蛍光を発するが、Creを含有するEVが取り込まれた細胞では、loxPサイトで部位特異的組み換えが起きて、緑色蛍光を発するようになる。
レポーターマウスは次の方法で構築した。1.loxP-tdTomato-loxP-EGFP配列をRosa26 armを持つプラスミドに挿入した。2.C57BL6/N系統のオスに由来する5ES細胞をこの組み換えプラスミドでtransfectionして組換えES細胞を樹立した。3.このES細胞を仮親マウスに移植して、得られた仔マウスは、遺伝子組み換えマウス(レポーターマウス)と考えられる。
またレポーターマウスは次の方法で確認した。1.採取した臓器に由来する細胞、および体液細胞は赤色蛍光を発した。2.ゲノム解析の結果、目的のフラグメントが挿入されていることが明らかとなった。3. LL-37-PMN-EVをレポーターマウスの細胞に作用させると、体液由来の一部の細胞で緑色蛍光を発するようになった。現在は標的細胞と考えられる細胞をin vitroで培養し、LL-37-PMN-EVを作用させたときの変化を調べている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

好中球由来の細胞外小胞のin vivoにおける生理的な標的細胞を探索するためのレポーターマウスを構築し、Creを含有する好中球由来の細胞外小胞を作用させると、実際にレポーター系が作動することを確認した。また現在、標的と考えられる細胞に対する作用を解析しており、ほぼ計画通りに侵攻していると考えられる。

今後の研究の推進方策

LL-37-PMN-EVの標的と考えられる体液由来の細胞への作用を現在解析中であるが、特に今後は次の点について詳細に解析をする予定である。
1.体液由来の細胞のみならず、組織内の標的細胞を探索するために、レポーターマウスにLL-37-PMN-EVを投与し、各組織を採取したのちに、組織透明化、3次元・一細胞解像度のイメージングを行なう。
2. EVの標的細胞に対する作用を、特に抗炎症・細胞死抑制という観点から解析する。
3. 抗炎症・細胞死抑制作用に関係するLL-37-PMN-EVの因子を同定する。
4. ヒト好中球由来EVへの適用 (ex vivo・ in vitro実験) :ヒト好中球をLL-37で刺激した時に生成されるEVにも、標的細胞に対する同様の抗炎症・細胞死抑制作用があるかを確認する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Minimal information for studies of extracellular vesicles (MISEV2023): From basic to advanced approaches2024

    • 著者名/発表者名
      Welsh, J. A., Goberdhan, D. C. I., O’Driscoll, L., Buzas, E. I., Blenkiron, C., Bussolati, B., Cai, H., Di Vizio, D., Driedonks, T. A. P., Erdbrugger, U., Falcon-Perez, J. M., Fu, Q.-L., Hill, A. F., Lenassi, M., Lim, S. K., Mahoney, M. G., Mohanty,.. .Kumagai, Y.,... Witwer, K. W
    • 雑誌名

      Journal of Extracellular Vesicles

      巻: 13 号: 2

    • DOI

      10.1002/jev2.12404

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 生体防御ペプチドLL-37は、抗菌活性を有する細胞外小胞の放出を促進することで マウス敗血症の病態改善に関与する2023

    • 著者名/発表者名
      熊谷由美、角田宗一郎、洲崎悦生、長岡功
    • 学会等名
      日本エンドトキシン・自然免疫研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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