研究課題/領域番号 |
22K07065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
研究代表者 |
瀬戸 真太郎 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 生体防御部 免疫科, 科長 (50383203)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肺MAC症 / マウスモデル / トランスポゾンシークエンシング / RNAシークエンシング / MAC / TN-seq |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、肺MAC症マウスモデルを用いて、オミックス解析によって肺MAC症発症に関与する菌・宿主因子を同定する。肺MAC症患者から単離した臨床分離株を用いて、トランスポゾン変異株ライブラリーを構築する。変異株ライブラリーをマウスに感染させて、トランスポゾンシークエンシング(Tn-seq)を行い、肺内での増殖に関与する菌遺伝子を決定する。宿主因子については、感染マウスの肺および血液のRNAシークエンシング(RNA-seq)を行う。マウスモデルを用いて肺MAC症の発症機序を明らかにすることによって、ヒト肺NTM症の難治化、重症化に関わる菌・宿主因子の解明に向けた分子基盤を整備する。
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研究実績の概要 |
これまでにマウス肺内で定着して感染成立を行うヒト肺MAC症臨床分離株を4株単離している。これらの臨床分離株の全ゲノム配列の決定を行った。また、それぞれの臨床分離株のトランスポゾン(Tn)ライブラリーを構築した。トランスポゾンシークエンシング(Tn-seq)を行い、高密度なTn挿入を確認した後に、培地上での増殖に必須な遺伝子を決定した。増殖に必須もしくは欠損によって増殖に阻害が生じる遺伝子は計300-400遺伝子であり、臨床分離株ごとに異なることが明らかになった。本研究結果から、新規創薬標的として可能性のあるMAC菌遺伝子を見出すことができた。また、肺MAC臨床分離株をマウスに感染させて、感染肺のRNA-seqを行った。感染肺ではTh1、Th17などによる炎症に関わる遺伝子群の発現が亢進していることを明らかにした。本研究成果は、ヒト病態を反映する肺MAC症マウスモデルの構築を促進するとともに、ヒト肺MAC症を含む肺NTM症における難治化、重症化に関わる菌、宿主因子の探索のための基盤形成に寄与する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目標である肺MAC臨床分離株のTNライブラリーの作成、およびTn-seqを行った。また、肺MAC臨床分離株を用いたマウスモデルにおける感染肺のRNA-seqを行い、臨床分離株特異的な免疫反応を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
肺MAC臨床分離株のTnライブラリーを感染させて、マウス肺内での増殖に関与する菌因子の同定を行う。また、マウス肺内で定着、感染成立する肺MAC症臨床分離株をさらに同定して、感染マウス肺内での免疫反応の詳細を明らかにする。
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