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HIV/結核二重感染霊長類モデルを用いた肺病変部における結核性肉芽腫の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K07066
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49050:細菌学関連
研究機関国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

研究代表者

岡村 智崇  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 主任研究員 (20549703)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードHIV / SIV / 結核 / 免疫 / エイズウイルス
研究開始時の研究の概要

HIV感染者・エイズ患者のうち約3分の1が結核に二重感染していると報告されている。適切な動物モデルが存在しないことから、二重感染後の病態進行のメカニズムやウイルスや菌の動態、免疫応答等、不明な点が多く存在している。本研究はエイズ感染カニクイザルに結核を二重感染させた動物モデルを確立し、二重感染後の経時的な病態の変化や免疫応答を明らかにする。病態の進行やウイルスや菌の体内動態を明らかにすることで、動物モデルとしての有用性を証明し、将来的には新規治療薬やワクチンの評価モデルへと発展させる。

研究実績の概要

本研究はエイズ感染カニクイザルに結核を二重感染させた動物モデルを確立し、経時的な病態の変化や免疫応答を検討する。病態の進行や菌の全身性への播種を明らかにすることで動物モデルとしての有用性を証明し、将来的には抗HIV薬や抗結核薬の動物評価モデルへと発展させる。
本年はマカク属カニクイザルを用いてエイズ/結核二重感染モデルを確立し、微生物学的解析を実施した。HIVのモデルとしてサル免疫不全ウイルス(SIV)を用いる。サル免疫不全ウイルス感染後90~100週のカニクイザル6頭を用いた。結核感染前、5頭はウイルスを検出し、1頭はウイルス不検出であった。上記6頭と別にウイルス未接種のSPFカニクイザル4頭を準備し合計10頭のサルにMycobacterium tuberculosis Erdman strain 40 CFUを気管内より投与を行った。経時的に採血を実施し、CRP、ESR測定およびCD4+T細胞やウイルス量の測定を行った。胸部の結核性肺炎を解析するため、高度医療CT解析を実施した。病態が悪化した場合には、安楽殺を実施し各臓器の生菌数を測定した。SIV/結核二重感染サルは、結核単独感染サルと比較して早期に病態が悪化することを確認し、また、SIV/結核二重感染サルのCRP値、ESRについては、感染早期より検出され、また測定値は高値を示した。またSIV/結核二重感染サルのエイズウイルス量は、結核感染後も高ウイルス血症を呈し、結核感染前にウイルス不検出であった個体についてもウイルスの再活性が認められた。CD4+T細胞数については、結核感染後に急激な減少が認められた。結核病態の悪化が認められた個体について結核生菌数の測定を行った。SIV/結核二重感染サルの多くは、肺、肝、脾、腎、気管支リンパ節で結核の生菌数を認め、結核単独感染サルよりも多く認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究で、マカク属カニクイザルを用いてエイズ/結核二重感染モデルを確立した。このモデルを用いることで、病態解析や微生物学的解析を実施することが出来た。今後は詳細な免疫学的解析を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

本研究はマカク属カニクイザルを用いて、エイズ/結核二重感染モデルの確立である。
具体的に実施する研究計画は、エイズ/結核二重感染サルモデルの免疫学的解析である。
・エイズ/結核二重感染サルの全身性および局所の免疫応答の解析
エイズ/結核二重感染後、血液、気管支洗浄液、リンパ節を採材し、T 細胞応答や自然免疫系に属するNK 細胞の解析を行う。T 細胞応答は、ウイルス抗原および結核抗原の両方を用い、18 色のマルチカラーフローサイトメトリーを用いて細胞内サイトカインや制御性T 細胞の解析を経時的に解析を行う。また同様の機器を用いて、NK 細胞の解析を行う。解剖時、肺結節より分離したリンパ球系細胞を用いても免疫応答を解析する。解析した免疫応答については、ウイルス量や菌量との統計学的解析を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 結核感染カニクイザルを用いたサル結核検査法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      岡村 智崇
    • 学会等名
      第70回日本実験動物学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Therapeutic efficacy of an adjuvant-containing live-attenuated AIDS vaccine in pathogenic SHIV-infected cynomolgus macaques.2023

    • 著者名/発表者名
      Tomotaka Okamura, and Yasuhiro, Yasutomi.
    • 学会等名
      40th Annual Symposium on Nonhuman Primate Models for AIDS
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 結核感染カニクイザルを用いたサル結核検査法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      岡村智崇
    • 学会等名
      日本実験動物学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] HIV、結核に対するワクチンの開発の最前線2023

    • 著者名/発表者名
      岡村智崇、保富康宏
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      医学書院
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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