研究課題/領域番号 |
22K07081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
清家 総史 広島国際大学, 薬学部, 助教 (90806275)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Aeromonas / Biofilm / OMVs / バイオフィルム / 外膜小胞 / biofilm / 鞭毛 / 病原性 |
研究開始時の研究の概要 |
食中毒起因菌として知られるA. sobriaやA. hydrophilaは,易感染性宿主において,四肢の壊死を伴う劇症型感染症を引き起こすことが数多く報告されている.本菌の劇症型感染症は病状の進行が非常に早く,予後も不良となるケースが多い.申請者は,しばしば難治化病巣や感染源に形成されるとされるbiofilmに注目し,その形成メカニズムを探ることから,本菌感染症の感染制御に向けた研究基盤を築きたいと考えている.本研究では,biofilm形成とそれに関わる分子(外膜小胞:OMVsと鞭毛の関係)に着目し,biofilm形成メカニズムの提唱,及び,新たな抗菌戦略を模索する.
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研究実績の概要 |
本研究では、菌の定着・重症化の引き金になっていると考えられているAeromonasのbiofilm形成と菌が生成する外膜小胞(Outer membrane vesicles:OMVs)の関係に着目し、biofilm形成メカニズムを提唱するとともに、そのメカニズムを打破する新たな抗菌戦略を模索する。 これまでに、biofilm由来のOMVs(bOMVs)が本菌のbiofilm形成を促進することを報告している。この作用は菌株によって差があるが、bOMVsによるbiofilm形成促進を受けやすい株から、bOMVsと直接相互作用する菌体成分(A)を見出した。今年度は、種々の菌株から精製したbOMVsと、(A)の関係についてさらに解析した。阻害剤処理により(A)の機能を阻害し、種々の菌株由来のbOMVsと菌体の相互作用やbOMVsによるbiofilm形成量に変化がでるかを確認した。その結果、複数のbOMVsで菌体への結合量(相互作用量)が減少し、さらに、bOMVsによるbiofilm形成も阻害した。つまり、(A)はbOMVsと菌体の相互作用に関わる因子であることが明らかとなった。しかし、(A)は、今回試した全てのbOMVsと菌体の相互作用を仲介するわけではなく、それとは異なるメカニズムで菌体に作用する可能性があるbOMVsも見受けられたことから、bOMVsによるbiofilm形成促進を受けやすい株は、種々のbOMVsに対して複数のメカニズムを介して相互作用する可能性が示された。 また、bOMVsのbiofilm形成促進因子が不明であったが、その候補因子を見出したため、次年度は、OMVsと菌体成分(A)の両者の関係をさらに解析し、本菌のbiofilm形成の一メカニズムを解明していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた手法とは異なる代替手法を実施したことで、計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の検討は以下の方針に従い、検討を行う予定である。 1) 菌体成分とOMVsの相互作用メカニズムの解明 2) OMVsによるbiofilm制御メカニズムの解明
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