研究課題/領域番号 |
22K07107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
有田 峰太郎 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 室長 (70356244)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エンテロウイルス / 宿主因子 / PI4KB / OSBP / 阻害剤 / 依存性 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスの複製は、各々のウイルスタンパク質の活性だけでは説明ができず、宿主因子とウイルスタンパク質との相互作用が本質的な役割を果たしている。PI4KB/OSBP経路は異なるウイルス科で保存されており、ウイルスの進化の中で安定的に保持されてきた経路と考えられる。PI4KB/OSBP経路から独立する進化は、in vitroにおける実験的進化で観測することが出来る可能性があり、この解析により、ウイルスがなぜ特定の宿主因子に依存するのか、その進化の分岐を決めた因子は何かという問に対する答えが与えられることが期待される。
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研究実績の概要 |
OSBPのリガンド結合ドメインの構造を決定し、これまでに同定していたOSBP阻害剤T-00127-HEV2の結合に影響しうるアミノ酸残基置換(L590W, M446W)を同定した。L590W置換は、リガンド結合ドメインの発現レベルを上昇させることで、T-00127-HEV2およびその他のOSBP阻害剤に対して見かけ上の耐性を与えることが明らかになった。一方、M446W置換は、T-00127-HEV2のリガンド結合ドメインへの結合を阻害することが明らかにされた。M446W置換はT-00127-HEV2に特異的な耐性を与えたことから、M446WのT-00127-HEV2への相互作用はこの阻害剤に特異的なものであることが示唆された。このことを利用して、M446W置換を持ったOSBP変異体を高発現させることで、ウイルス複製を促進するために必要なOSBPドメインを同定することができる測定系を作成した。この系を用いて解析したところ、OSBPの脂質輸送活性に必要であるPHドメインとリガンド結合ドメインについてはウイルス複製の促進に必要であることが示された。一方、OSBPを小胞体に引き止めるためのVAPA/VAPBへの結合に必要なFFATモチーフや2量体化に必要な領域はウイルス複製を促進するためには必要でないことが明らかにされた。これらの結果から、ウイルス複製においては、OSBPはVAPA/VAPBを介して小胞体に結合することは必要ではなく、ウイルス側の因子やそれに伴うPI4Pの産生がOSBPのウイルス複製膜への局在および活性に必要とされることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に変更はない。
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今後の研究の推進方策 |
特に変更はない。
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