配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究実績の概要 |
近年リバースジェネティクス法を用いて、インフルエンザウイルス遺伝子に外来性遺伝子を組み込んだ組換えウイルスを作出することが可能になった。しかし、新型コロナウイルスのスパイク蛋白質の抗原性に影響を与えることなく同蛋白質を保有した組換えインフルエンザウイルスを作製する技術は確立していない。本研究では、発育鶏卵を用いてインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する2種混合ワクチンを製造するための基盤技術を確立することを目的として、リバースジェネティクス法を用いて、新型コロナウイルスの感染防御抗原(スパイク蛋白質)を持つ組換えインフルエンザウイルスを作出する。 本研究代表者らは、発育鶏卵で高い増殖性を示す組換えインフルエンザウイルス株(高増殖性A/Puerto Rico/8/34(H1N1)(Ping et al., Nat. Commun., 2015)を作出している。昨年度は、インフルエンザウイルスのNS遺伝子を改変して、NS1遺伝子、NS2/NEP遺伝子、ならびに新型コロナウイルスのスパイク遺伝子を発現するプラスミドを作出した。 本年度は、この改変NS遺伝子を発現するプラスミドをトランスフェクションした培養細胞において、スパイク蛋白質が発現することを確認した。また、A/Puerto Rico/8/34株由来の7種類のウイルス遺伝子(PB2, PB1, PA, HA, NP, NA, M)を発現するプラスミドと、スパイク蛋白質のS1ドメインを発現するプラスミド、ならびにA/Puerto Rico/8/34株由来の4種類のウイルス蛋白質(PB1, PB2, PA, NP)を発現するプラスミドを培養細胞に導入して、スパイク蛋白質のS1ドメインを持つ組換えウイルスを作出した。同様にして、スパイク蛋白質のS1及びS2ドメイン(S1+S2)を持つ組換えウイルスも作出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス・スパイク蛋白質のS1ドメインあるいはS1及びS2ドメインを挿入した改変NS遺伝子を発現するプラスミドをトランスフェクションした培養細胞において、スパイク蛋白質が発現することを蛍光抗体法により確認した。 インフルエンザウイルスのA/Puerto Rico/8/34株由来の7種類のウイルス遺伝子(PB2, PB1, PA, HA, NP, NA, M)を発現するプラスミドと、スパイク蛋白質S1ドメインを挿入した改変NS遺伝子を発現するプラスミド、ならびにA/Puerto Rico/8/34株由来の4種類のウイルス蛋白質(PB1, PB2, PA, NP)を発現するプラスミドを培養細胞にトランスフェクションして、スパイク蛋白質S1ドメインを持つ組換えウイルスを作製した。同様にして、S1及びS2ドメイン(S1+S2)を持つ組換えウイルスも作出した。 また、比較のために、A/Puerto Rico/8/34株由来の8種類のウイルス遺伝子(PB2, PB1, PA, HA, NP, NA, M, NS)を発現するプラスミドと4種類のインフルエンザウイルス蛋白質(PB2, PB1, PA, NP)を発現するプラスミドを培養細胞にトランスフェクションして、野生型のA/Puerto Rico/8/34株を作出した。
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