研究課題/領域番号 |
22K07115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三宅 健介 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 特任助教 (90814533)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 好塩基球 / 単球由来マクロファージ / 分化経路 / 1細胞RNAシーケンス / 炎症収束 / アレルギー / IL-4受容体 / M2マクロファージ / アトピー性皮膚炎 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎の有病率はいまだ高く、病態解明が求められている。申請者は、マウスアトピー性皮膚炎モデルの炎症後期に、死細胞貪食能の高いM2マクロファージが出現し、速やかに死細胞除去を行うことで炎症収束を導くことを解明した。本研究では、炎症後期に出現する炎症抑制型M2 マクロファージがどのように分化・誘導されるのかを、新技術である高感度1細胞RNA シーケンス解析を活用しながら解明する。本研究から炎症抑制型M2 マクロファージの誘導機構が解明できれば、アトピー性皮膚炎などの皮膚アレルギー症状を改善する新規治療標的の発見につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
本年度も引き続き、単球由来マクロファージによるアレルギー炎症抑制機構を解明するために、好塩基球依存的に起こる皮膚慢性あれるぎいー炎症であるIgE-CAIの皮膚炎症局所を高感度の1細胞RNAシーケンス(scRNA-seq)にて解析した。前年度までの結果から、単球由来マクロファージは炎症早期と後期で全く異なる遺伝子発現を示し、炎症後期の単球由来マクロファージにおいて死細胞貪食に重要な遺伝子(Gas6, Mertk等)が高発現することが明らかになった。さらに本年度はこの炎症後期単球由来マクロファージが分化誘導されるメカニズムをin vitro, in vivoの両面から解析した。先行研究にて、炎症収束型マクロファージの分化には好塩基球由来IL-4が重要であることが示唆されているこのため、まずin vitroにてLy6C陽性炎症性単球と活性化好塩基球上清を共培養し、フローサイトメトリーにて解析した。その結果、共培養後24時間にて早期単球由来マクロファージが、48時間にて後期単球由来マクロファージが認められることが明らかになった。一方、IL-4受容体欠損マウス由来のLy6C陽性炎症性単球では、早期・後期単球由来マクロファージの分化誘導が認められないことから、早期・後期単球由来マクロファージの分化はIL-4受容体シグナルに依存的におこることが明らかになった。さらに、in vivoにてもIL-4受容体シグナルの重要性を確認するために、マクロファージ特異的IL-4受容体欠損マウスを樹立し、IgE-CAIを誘導したところ、本マウスにおいては後期単球由来マクロファージの割合が減少することが明らかになった。以上から、アレルギー炎症収束を導く後期単球由来マクロファージが、好塩基球由来IL-4に依存的に分化誘導されることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までで、IgE-CAI炎症局所におけるアレルギー収束型マクロファージの分化経路を1細胞RNAシーケンスの活用により解明し、研究成果をは2024年に2月にNature Communications誌に論文発表したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの研究により、炎症性単球から早期単球由来マクロファージ、後期単球由来マクロファージといった分化経路を特定し、論文発表した。今後はさらに、早期単球由来マクロファージから炎症抑制型の単球由来マクロファージへの分化の分子機構に迫るとともに、実際のアレルギー患者にて同様のマクロファージが認められるのかも1細胞解析を行うことで検討する予定である。
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